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海外FXの金融ライセンスとは?17種類の特徴や業者の取得理由を解説

海外FXの金融ライセンスとは?17種類の特徴や業者の取得理由を解説

海外FXには様々な国や地域で発行された金融ライセンスがあります。その種類や発行元の規制当局を知ることで、それらを保有する業者の安全性をある程度測れるようになります。

この記事では、海外FXトレーダーとして押さえておきたい金融ライセンスの基本とともに、各国・地域で発行されている17種類のライセンス情報を紹介します。

人気業者が保有する、オフショアライセンスの特徴や注意点も解説するので参考にしてください。

各業者の安全性も考慮した総合的におすすめの海外FX業者を「海外FXのおすすめ人気業者比較ランキング」にまとめているので、よろしければそちらも参考にしてください。

目次

海外FXの金融ライセンスとは?

海外FXの金融ライセンスとは、海外FX業者が日本以外の国で取得した金融ライセンスを指します。

金融ライセンスを発行する国や地域によって取得要件が異なるため、海外FX業者が保有する金融ライセンスはその業者の安全性を測る目安にもなっています。

取得が難しい取得がかんたん
NFA(アメリカ)
FCA(イギリス)
FINMA(スイス)
FSA(セーシェル)
CIMA(ケイマン諸島)
BVIFSC(バージン諸島)
取得難易度が異なる金融ライセンスの例

欧米のように取得が難しい金融ライセンスでは、過当投機を防止するためのレバレッジ規制や、経営破綻した場合に、ユーザーの資産を保護する仕組みを導入することが義務づけられています。

一方で、規制が緩い国や地域で発行される金融ライセンスは、レバレッジなどの取引条件に制限がなかったり、ユーザーの資産管理を銀行に任せていないものなど、安全性が低い場合があります。

続いて、海外FXに関する3つの内容を確認しましょう。

金融ライセンスを取得するメリット

海外FX業者は金融ライセンスを取得することで、各国の法律や規制を守っていることをユーザーに伝えられます。

業者みずからが規制当局の監督下に入り、一定の安全性の基準を満たしたことが証明され、ユーザーからの信用度の向上が期待できます。

規制当局とは、FX業者などの金融サービスを提供する事業者が、ルールを守っているかどうかを監督する組織などを指し、今回は金融ライセンスの発行元となります。

規制当局には一般的に以下の使命があるため、海外FX業者には規律ある行動が要求されます。

  • 消費者保護の強化:情報提供とリスク開示により、不正取引や詐欺から守る
  • 法令遵守の厳格化:法律や規制を遵守することで、法的な保護を約束する
  • 市場の透明・安定性の向上:取引や運用状況の報告により、健全な市場を保つ

海外FX業者の立場からすると、金融ライセンスを保有する業者がルールを守っていることを規制当局に証明してもらうことで、ユーザーから「大切な資金を預けても安心」と認められる効果を期待できます。

また海外FX業者が金融ライセンスを取得・保有するために、規制当局は以下のような要件を定めています。

  • オフィス設置と人員配置で実在証明
  • 分別管理の推進と預託先の指定
  • 顧客からの苦情記録と保管
  • 倒産した場合の預金保護の導入
  • FXおよびCFD商品のリスク開示
  • 最良価格で顧客の注文を約定
  • マージンコールとロスカットの執行
  • レバレッジ制限の適用とゼロカットの執行
  • ボーナス等の金銭的インセンティブの禁止
  • 取引履歴・資本状況などの定期報告

通常、国際的な評価が高い金融ライセンスほど、規制当局からの要件は厳しいです。定期的に監査して問題がなければライセンスが継続し、要件を満たせなければ基本的にライセンスが取り消されます。

つまり海外FX業者としては、取得・保有の条件が厳しい金融ライセンスを保有すれば、資産管理が安全で公平な取引ができる業者として認められやすくなります。

海外FX業者が日本の金融庁に登録しない理由

海外FX業者は、国内FXでは利用できない優れたサービスを提供するために金融庁に登録していません。

金融庁が禁止するサービス
  • 25倍を超えるハイレバレッジ
  • マイナス金額を補填するゼロカット

日本の法律(金融商品取引法)ではハイレバレッジとゼロカットの提供が禁止されています。また景品表示法も守らなければならず、高額ボーナスやキャッシュバックの上限が制限されています。

海外FX業者は金融庁に登録しないことで「レバレッジの上限なし」「ゼロカットで追証なし」「高額ボーナスで無料体験」という海外FXならではの強みを活かせます。

海外FXは違法ではない
金融庁は金融ライセンスを取得していない海外FX業者を利用しないように日本の方へ注意を呼びかけていますが、海外FXを利用すること自体に違法性はないので安心してください。

オフショアライセンスで活動する海外FX業者

FXサービスを提供するには、その国の規制を守ることを条件として、規制当局(日本なら金融庁)から許可を得る必要があります。

欧米・豪州・日本の規制当局は、自国のライセンスを保有する事業者が他国で営業することを一般的に許可していません。

しかし、オフショアの規制当局は他国で海外FXを営業することを一般的に禁止していません。

海外FX業者としては都合が良く、便宜上、規制当局の監査によって一定の安全性が担保されたことになり、インターネット上でFXやCFDを提供しやすくなります。

オフショアとは?
税金を安くして事業者や投資家を誘致し、海外の資本を獲得する国や地域を指すことから、タックスヘイブンとも呼ばれています。税制優遇と併せて規制当局の監査がゆるく、海外への事業展開が比較的自由なため、海外FX業者が活用しています。

海外FXの金融ライセンス17種類を解説

人気の海外FX業者が保有するオフショアの金融ライセンスと、欧米・オセアニア・日本に分けて紹介します。

国や地域の違いによる規制の度合いを解説した後に、それぞれのライセンスを保有する海外FX業者をまとめています。

モーリシャス金融サービス委員会(FSC Mauritius)

モーリシャス金融サービス委員会(FSC Mauritius)
正式名称Financial Services Commission
設立年2001年
所在地FSC House, 54 Cybercity Ebene, 72201 Mauritius 
所管する法令Financial Services Rules 2008(毎年改正)など
使命銀行を除く金融商品の投資家の保護金融システムの健全性と安定性の確保資本市場の公平・効率・透明性の促進
登録確認FSCライセンス検索ページ
公式サイトhttps://www.fscmauritius.org/
FSC Mauritiusの案内

モーリシャス金融サービス委員会(FSC Mauritius)は、銀行を除く金融サービス部門とグローバルビジネス部門の規制機関を統合して2001年に設立されました。

モーリシャスが健全で競争力のある国際的な金融サービスの拠点として認められるため、主に以下に取り組んでいます。

  • 金融システムの健全性と安定性の確保
  • 金融犯罪と不正行為を抑制して投資家を保護
  • 資本市場の公平・効率・透明性の向上と発展の促進

FSC Mauritiusは国際規範に適合するため、国際機関への加盟を通じた協同活動にも積極的です。

加盟する国際機構の例

証券監督者国際機構(IOSCO)、保険監督者国際機構(IAIS)、国際年金監督者機構(IOPS)

国際犯罪への対策も他国と歩調を合わせており、マネーロンダリング対策およびテロ資金供与対策(AML/CFT)では国際基準に従っています。

海外FX業者の金融ライセンスは、主にFinancial Services Rules 2008(毎年改正)に基づいて各種手続きが進められます。

モーリシャスの金融ライセンスを保有する海外FX業者

モーリシャスの金融ライセンスで日本向けにサービスを提供する海外FX業者は以下の通りです。

海外FX業者登録号登録名称
XMTradingGB20025835Fintrade Limited
FXProGB21026568PRIME ASH CAPITAL LIMITED
モーリシャスの金融ライセンスを保有する海外FX業者

セーシェル金融サービス庁(FSA Seychelles)

セーシェル金融サービス庁(FSA Seychelles)
正式名称The Seychelles Financial Services Authority
設立年2013年
所在地Bois De Rose Avenue, P.O. Box 991 Victoria, Mahe, Seychelles
使命・銀行を除く金融サービスの投資家保護の強化
・金融市場の健全性を持続しながら成長を促進
所管する法令Financial Services Authority Act, 2013など
登録確認FSAライセンス検索ページ(*1)
公式サイトhttps://fsaseychelles.sc/
FSA Seychellesの案内

(*1)画面右上の検索欄に業者名を入力してください。

セーシェル金融サービス庁(FSA Seychelles)は銀行を除く金融サービス業者を監督しています。その他、国際貿易・フィンテック・保険などの規制の整備、消費者の保護・教育に至るまで、幅広い役割を担っています。

国際的な活動にも積極的で、例としては税金に関するOECD/G20包括的枠組みの活動が挙げられます。OECDは、57の優遇税制のデメリットに関する評価を承認した後、セーシェルが有害税制に対抗するための要件を満たしたとしています。

また、不正行為などの金融犯罪の防止のため、国際機関と協力しながらマネーロンダリング対策・テロ資金供与対策にも力を入れています。

セーシェルはアフリカの東部と南部の国々で構成された反マネーロンダリンググループの一員でもあり、FATFのガイドラインに従うことを約束しています。

FATFとは?
FATF(金融活動作業部会)はマネーロンダリングやテロリストへの資金供給を防ぐ対策の基準をつくる国際的な枠組みです。マネロン・テロ資金供与対策の国際基準として提言された「40の勧告」を定めています。

セーシェルの金融ライセンスを保有する海外FX業者

セーシェルの金融ライセンスで日本向けにサービスを提供する海外FX業者は以下の通りです。

海外FX業者登録番号登録名称
XMTradingSD010TRADEXFIN LIMITED
ExnessSD025Exness (SC) Ltd
FXGTSD019360 Degrees Markets Limited
Windsor BrokersSD072Windsor Brokers International Ltd
IC MarketsSD018Raw Trading Ltd
セーシェルの金融ライセンスを保有する海外FX業者

バヌアツ金融サービス委員会(VFSC)

バヌアツ金融サービス委員会(VFSC)
正式名称Vanuatu Financial Services Commission
設立年月1993年12月
所在地Companies House PMB 9023 Rue Bougainville Port Vila, Vanuatu
所管する法令Dealers In Securities(Licensing)Actなど
使命法律を遵守し、国際基準に従った金融業界の監督
登録確認VFSCライセンス検索ページ(*1)
公式サイトhttps://www.vfsc.vu/
VFSCの案内

(*1)検索ページは時間が経過すると無効になります。画面左上の「Registry Services」内の「INTERNATIONAL COMPANIES」が該当します。

バヌアツ金融サービス委員会(VFSC)は1993年12月に設立され、金融サービス業界の監督ならびにライセンスの登録・管理をしています。

VFSCが自国で果たす重要な任務は以下のとおりです。

  • 不正・違法行為からバヌアツ経済および国民の財産を保護する
  • 金融ビジネスの中心地としてバヌアツの国際的な評価を高める
  • 金融事業の監督・規制について国の代表として国際的に活動する
  • バヌアツ政府に金融事業の法規制に関する助言と援助を提供する

バヌアツ政府や国際機関と連携した活動の他、海外FXについては2019年の規制強化が注目されました。

  • 賠償責任保険への加入
  • バヌアツに事務所を構える
  • 取締役は5年以上の証券取引経験が必要
  • 経営者/取締役が年間6ヶ月間バヌアツに滞在

上記の追加規制によってペーパーカンパニーのまま海外FXを提供できなくなり、信頼できるオフショアライセンスとしての評価が高まりました。

バヌアツの金融ライセンスを保有する海外FX業者

バヌアツの金融ライセンスで日本向けにサービスを提供する海外FX業者は以下の通りです。

海外FX業者登録番号登録名称
TitanFX40313TITAN FX LIMITED
ThreeTrader40430THREETRADER GLOBAL LIMITED
FBS14812MITSUI MARKETS LIMITED
バヌアツの金融ライセンスを保有する海外FX業者

ベリーズ国際金融サービス委員会(FSC Belize)

ベリーズ国際金融サービス委員会(FSC Belize)
正式名称The Financial Services Commission 
設立年月
本拠地6130 Iguana Avenue, Mountain View Area, City of Belmopan, Belize, CA
使命消費者を保護し、国際金融センターとしての評価を高め、優良企業による適正な商慣行を促進する
主な法令Financial Services Commission Actなど
登録確認FSC Belizeライセンス検索ページ
公式サイトhttps://www.belizefsc.org.bz/
FSC Belizeの案内

ベリーズ国際金融サービス委員会(FSC Belize)は、2021年の証券業法の成立に伴って以前の国際金融サービス委員会(IFSC)が改組された機関です。

銀行を除く金融セクターの国際的な監督基準を満たすため、国内の金融機関ならびに国際パートナーと協力して以下に取り組んでいます。

  • 金融サービスの中心地として資本形成と経済成長を促進する
  • 政策を策定し、金融サービスの規制に関して政府に助言と援助を提供する
  • 国民や国内外の投資家をリスクから保護し、資本市場の発展と信頼を促進する

ベリーズは平和な民主主義国家であり、政府自らが金融サービスの成長と発展維持に取り組んでいます。

規制当局はベリーズがオフショア投資の選択肢になることを目指し、税制優遇と緩い規制の下で、自国の財団や金融機関とパートナーシップ体制を整えて海外の事業者を迎えています。

ベリーズの金融ライセンスを保有する海外FX業者

ベリーズの金融ライセンスで日本向けにサービスを提供する海外FX業者は以下の通りです。

海外FX業者登録番号登録名称
AXIORY000122/405AXIORY GLOBAL LTD.
GeneTrade000270/436GENIUS TRADING LTD.
ベリーズの金融ライセンスを保有する海外FX業者

イギリス領バージン諸島金融サービス委員会(BVIFSC)

イギリス領バージン諸島金融サービス委員会(BVIFSC)
正式名称British Virgin Islands Financial Services Commission
設立年月2001年12月
所在地18 Pasea Estate Road Road Town, TORTOLA, VG1110 BRITISH VIRGIN ISLANDS
使命十分に法規制された国際金融センターとしての機能を維持し、経済的な利益を保護する
主な法令BVI BUSINESS COMPANIES ACTなど
登録確認BVIFSCライセンス検索ページ(*1)
公式サイトhttps://www.bvifsc.vg/
BVIFSCの案内

(*1)画面右上の検索欄に海外FX業者の運営会社名を入力してください。海外FX業者名や登録番号では表示されません。

イギリス領バージン諸島金融サービス委員会(BVIFSC)は、カリブ海の西インド諸島にあるイギリス領土の島々の金融事業を監督しています。

タックスヘイブンとしても有名で、2016年に法律事務所から流出して世界を騒がせたパナマ文書には、富裕層が資産を隠すためにバージン諸島を利用したことが記録されています。

優遇税制に関して国際機関との協調に積極的ではありませんが、金融犯罪に対してはマネーロンダリング対策/テロ資金供与対策として3カ年計画を打ち出し、国際連合安全保障理事会の決定を遵守しています。

BVIFSCは銀行・受託・投資・保険業務、倒産処理、法人登記・管理、知的財産の保護に至るまで、幅広い役割を担っています。

なお、規制当局は海外FX業者を厳しく規制していません。BVIFSCライセンスであれば、ハイレバレッジや高額ボーナスのインセンティブ付与を海外FX業者が自由に決められます。

バージン諸島の金融ライセンスを保有する海外FX業者

バージン諸島の金融ライセンスで日本向けにサービスを提供する海外FX業者は以下の通りです。

海外FX業者登録番号登録名称
easyMarketsSIBA/L/20/1135EF Worldwide Ltd
IFC MarketsSIBA/L/14/1073IFCMARKETS. CORP.
iFOREXSIBA/L/13/1060Formula Investment House Ltd.
バージン諸島の金融ライセンスを保有する海外FX業者

ケイマン諸島金融庁(CIMA)

ケイマン諸島金融庁(CIMA)
正式名称Cayman Islands Monetary Authority
設立年月日1997年1月1日
所在地SIX, Cricket Square, Elgin Avenue, Grand Cayman
使命金融サービス業界の健全性の保護と強化
主な法令ANTI-MONEY LAUNDERING REGULATIONS (2023 Revision)など
登録確認CIMAライセンス検索ページ
公式サイトhttps://www.cima.ky/
CIMAの案内

ケイマン諸島金融庁(CIMA)は、銀行・証券取引業者・保険会社など様々な金融機関を監督・規制して業界の健全性と国際的な信頼性の確保に努めています。

CIMAの主な役割は、金融サービス業者へのライセンス発行、規制基準の設定と強化、金融取引の透明性と信頼性の向上など多岐に渡ります。

ケイマン諸島は、所得税や法人税の税率をゼロか極めて低くするタックスヘイブンとしても有名で、海外法人の誘致が外貨獲得の有力な手段になっています。

また、米国の証券取引委員会(SEC)や英国金融サービス庁(FSA)などとも協定を締結し、金融センターとしての国際的な地位を高める役割をCIMAが担っています。

FATFのグレーリスト入り
ケイマン諸島は、FATF(金融活動作業部会)からマネーロンダリング・テロ資金供与対策に欠陥があると判断されてグレーリストに入り、監視を強化されています。海外FXに関する規制も緩いため、できる限りマイナー業者の利用を控えましょう。

ケイマン諸島の金融ライセンスを保有する海外FX業者

ケイマン諸島の金融ライセンスで日本向けにサービスを提供する海外FX業者は以下の通りです。

海外FX業者登録番号登録名称
Tradeview Ltd.585163EF Worldwide Ltd
Vantage1383491Vantage International Group Limited
ケイマン諸島の金融ライセンスを保有する海外FX業者

バハマ証券委員会(SCB)

バハマ証券委員会(SCB)
正式名称Securities Commission of the Bahamas
設立年1995年
所在地Poinciana House-North Building, 2nd Floor, 31A East Bay Street, P.O. Box N- 8347, Nassau, The Bahamas
使命投資家と消費者を保護し、金融サービス業界における健全な規制慣行を浸透させることで持続的な成長を促進し、経済発展に貢献する
所管する法令主な法令Financial and Corporate Service Providers Act, 2020(FCSPA, 2020)
登録確認SCBライセンス検索ページ
公式サイトhttps://www.scb.gov.bs/
SCBの案内

バハマ証券委員会(SCB)は、証券やFXなどデリバティブ取引のほか、近年注目が集まるデジタル資産(仮想通貨など)や炭素クレジット取引の監督もしています。

SCBは投資家の保護・公正かつ透明性のある市場の維持・システミックリスク軽減などを目的として、主に以下の活動をしています。

  • 資本市場に関するあらゆる事項を大臣に助言
  • 資本市場の監視、証券の公正かつ公平な取引の確保
  • 投資家に正確で公正かつ効率的な情報開示の促進
  • 金融犯罪や不正行為などから資本市場の健全性を保護

上記のようにバハマの金融市場における活動の他、証券監督国際機構(IOSCO)やカリブ海の証券規制当局グループ(CGSR)と協力して、国境を越えた証券詐欺を撲滅する取り組みにも積極的です。

南アフリカ金融業界行為監督機構(FSCA)

南アフリカ金融業界行為監督機構(FSCA)
正式名称Financial Sector Conduct Authority
設立年2018年4月
所在地Riverwalk Office Park, Block B, 41 Matroosberg Road, Ashlea Gardens, PRETORIA, 0081
使命顧客中心で競争力のある金融市場の発展を促進する
所管する法令Financial Sector Regulation Act(FSR Act)など
登録確認FSCAライセンス検索ページ
公式サイトhttps://www.fsca.co.za/
FSCAの案内

南アフリカ金融業界行為監督機構(FSCA)は、法律(FSR Act)で規制された金融商品・サービスを提供する全ての金融機関を監督しています。

以下5つの戦略目標を通じて、南アフリカの包括的かつ持続可能な経済成長を支援しています。

  • 金融市場の安定性を確保する
  • 顧客のリテラシー向上に役立つ情報を提供する
  • 金融市場へのアクセスを改善して変革を推進する
  • 強固な規制枠組みを通じて公正かつ透明な取引を促進する
  • 技術革新を通じて金融市場の効率性かつ完全性を維持する

その他、FSCAは年金監督者の国際機関 (IOPS)を含む5つの国際組織のメンバーとしても活動し、国際的に信頼性の高い金融市場になることを目指しています。

なお南アフリカ共和国は、マネーロンダリング・テロ資金供与対策に不備があるとしてFATFのグレーリストに入っていますが、国際機関と協力しながら各種対策に取り組んでいます。

ケニア資本市場庁(CMA)

ケニア資本市場庁(CMA)
正式名称Capital Markets Authority
設立年1989年
所在地Embankment Plaza, 3rd Floor Longonot Road, off Kilimanjaro Avenue, Upperhill P.O Box 74800 – 00200 Nairobi,Kenya
使命堅牢な規制・イノベーションの支援・投資家保護の強化を通じて、ケニアの資本市場を投資家と企業にとって第一の選択肢にする
所管する法令Capital Markets Actなど
登録確認CMAライセンス検索ページ
公式サイトhttps://www.cma.or.ke/
CMAの案内

ケニア資本市場庁(CMA)は、主に資本市場法(Capital Makrtes Act)に基づいて、海外FX業者をはじめとした事業者や取引所を監督しています。

独立した公的機関として1989年に設立され、資本市場の公正かつ透明性の維持と発展のために以下に取り組んでいます。

  • 投資家の保護と教育
  • 資本市場の商品・サービスの発行の規制
  • 資本市場の仲介業者のライセンス供与と監督
  • 新製品や制度の研究を通じて市場開拓を推進

CMAは情報発信に積極的で、2018年から2023年の戦略計画には、強化された規制と技術革新、そして支援を受ける投資家を通じたケニア市場の発展の具体策がまとめられています。

また、CMAが発行する四半期ごとの資本市場の健全性レポートと定期的に発行される金融セクターの安定性レポートにより、国際金融センターとしてのケニア市場を定量評価できます。

AML/CFTにも積極的なケニア
ケニアはマネーロンダリング・テロ資金供与対策に関するFATF(金融活動作業部会)の40の勧告を実施し、国際基準に照らし合わせたケニアへの評価レポートを公開しています。

全米先物協会(NFA)

全米先物協会(NFA)
正式名称National Futures Association
設立年月日1981年9月22日
所在地【シカゴオフィス】320 South Canal, Suite 2400 Chicago, IL 60606
【ニューヨークオフィス】One New York Plaza, #4300 New York, NY 10004
使命デリバティブ市場の健全性を守り、投資家を保護し、NFAメンバーが規制上の責任を確実に果たせるようにする
所管する法令Commodity Exchange Act(CEA)など
登録確認NFAライセンス検索ページ
公式サイトhttps://www.nfa.futures.org/
NFAの案内

National Futures Association(NFA)は、アメリカの商品先物およびFX市場に参加するブローカー/ディーラー/ファンドのライセンス登録ならびに監督をしています。

FXで事業を行う全ての事業者がNFAに登録する必要があり、メンバーはCFTCの規制要件や連邦法も守らなければなりません。

CFTCとは:米商品先物取引委員会のことで、アメリカ議会により1974年に設立されました。NFAはCFTCによって1981年9月22日指定され、1982年から規制業務を開始しています。

NFAは米国デリバティブ市場が健全かつ透明性を保ち、市場参加者が法令を遵守するように以下に取り組んでいます。

  • NFAメンバーの業務実態の調査
  • 市場参加者に教育リソースの提供
  • 国際機関と国際金融市場の規制体制を強化

海外FX業者がNFAライセンスを取得するには、経歴の徹底的な調査を受け、法令のCEAで定められた適合性基準を満たす必要があります。

金融ライセンスの基本ルール
欧米の金融ライセンスを保有する海外FX業者は、一般的に口座開設を受け付けるユーザーの居住国を限定しています。オフショアライセンスを除けば、通常、海外FX業者は金融ライセンスを取得した国の居住者に限定したサービス提供が基本です。

欧州証券市場監督機構(ESMA)

欧州証券市場監督機構(ESMA)
正式名称European Securities and Markets Authority
設立年月日2011年1月1日
所在地ESMA 201-203 Rue de Bercy 75012 Paris
使命・個人投資家保護の強化
・EU金融市場の監督強化
・金融市場の効率と安定促進
所管する法令MiFIDII、MiFIRなど
登録確認ESMAは金融ライセンスを発行していません
公式サイトhttps://www.esma.europa.eu/
ESMAの案内

欧州証券市場監督機構(ESMA)はEU全域で一貫した規制と監督の方法を推進しており、EU加盟国の監督当局(ライセンス発行元)は、ESMAが決定した規制を概ね採用しています。

ESMAは政治的に独立した機構ですが、欧州議会などの要請に応じて理事会や委員会に出席するとともに、自身の活動に関する年次報告書などを通じて活動の公正かつ透明性を保っています。

EUの金融市場には規制の枠組みとなるMiFID II(第二次金融商品市場指令)があり、MiFIR(金融商品市場規制)などの各種規制が定められています。

ESMAは各国の監督当局と連携し、MiFID IIならびにMiFIR等の各種規制を金融サービス業者が遵守しているかを監督することで、欧州の金融市場の透明性と安定性の維持に貢献しています。

ESMAに準拠する各国の規制当局
EU加盟27ヶ国の異なる金融市場において、ESMAは透明性・安定性を保つ役割を果たしています。FCA(イギリス)・FINMA(スイス)・CySEC(キプロス)など各国当局は、ESMAからの規制導入の要請に基本的に応じています。

英国金融行為規制機構(FCA)

英国金融行為規制機構(FCA)
正式名称Financial Conduct Authority
設立年月日2013年4月1日
所在地本社:12 Endeavour Square London E20 1JN
使命消費者利益の保護公正かつ効率的な競争促進金融システムの健全性を維持
所管する法令Financial Services and Markets Act 2000(FSMA)、MiFID IIなど
登録確認FCAライセンスの検索ページ
公式サイトhttps://www.fca.org.uk/
FCAの案内

英国金融行為監視機構(FCA)は金融ライセンスの審査基準が非常に厳しく、国際的に評価が高い規制当局の一つです。

FCAライセンスを取得するにはCASS(顧客資金取扱規程)に従い、FSCS(金融サービス補償スキーム)の要件を満たす必要があります。

CASSはFCAが金融サービス業者に設けた規定です。CASSでは業者が顧客資産を分別管理することを義務づけ、万が一経営破綻した場合でも、ユーザーの資産が直接返還される仕組みがあります。

またCASSの規定により、業者はFCAに毎月ユーザーの資産状況を報告しなければならず、CASS分類によりユーザーの資産に対して業者に要求する保有資産が定められています。

CASS分類の例:ユーザー資産の最高総額が100万ポンド以上10億ポンド未満の場合、業者に求められる保有資産は1,000万ポンド以上1,000億ポンド未満です。

FCAは業者の保有資産状況を基にして規制介入できることから、ユーザーの資産保護が強化されています。

一方の金融サービス補償スキーム(FSCS)は、銀行・証券・保険・年金等、9つの業態にわたる金融サービスの消費者に対する統合的な補償制度(*1)です。
(*1)FXをはじめとしたデリバティブ商品はFSCSの補償対象に明示されていません。

リーマンショックが起きた2008~2009年には、5つの銀行の処理に際して、総額230億ポンドが400万口座以上の預金者を対象にして支払われています。

スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)

スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)
正式名称Swiss Financial Market Supervisory Authority
設立年2009年1月1日
所在地Laupenstrasse 27, 3003 Bern
主な法令Financial Market Supervision Act(FINMASA)、MiFID IIなど
使命金融市場における顧客の資産保護と金融機関の国際的な競争力の維持の両立
登録確認FINMAライセンス検索ページ
公式サイトhttps://www.finma.ch/
FINMAの案内

スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)は、制度・機能・財政的にあらゆる組織から独立しており、スイスの金融業界で効果的な規制や監督を行えます。

FINMAはスイス議会や政府からも指示を受けませんが、議会から監視はされています。そのため、議会からの要望に応じて活動の説明責任を果たさなければならないことも、スイスの金融業界の健全性に大きく寄与しています。

また、FINMAが経済的に自立している点に注目です。活動資金は規制業務の際に課す賦課金や手数料から得ており、FINMAの会計はその他の監査局によって検査されて経営の透明性が保たれています。

なお、スイスの預金保護制度による補償金額の上限は10万スイスフランです。国民の資産形成に関する商品(*1)が対象となります。
(*1)FXやCFDなど投機性の高い商品は補償の対象外です。

キプロス証券取引委員会(CySEC)

キプロス証券取引委員会(CySEC)
正式名称Cyprus Securities and Exchange Commission
設立年月日2001年
所在地19 Diagorou Str. CY-1097 Nicosia
使命投資家の保護と証券市場の健全な発展を確保するための監督
所管する法令CySEC Laws、MiFID IIなど
登録確認CySECライセンス検索ページ
公式サイトhttps://www.cysec.gov.cy/home/
CySECの案内

キプロス証券取引委員会(CySEC)は証券取引や投資サービスを提供する金融事業者を監督しています。

2004年にキプロスがEUに加盟して以降、CySECはMiFID(*1)に準拠するのと同時に緩い規制による金融市場へのアプローチにより、EU域内での金融事業を目的とした事業者による主要な金融ライセンス取得先となりました。
(*1)EU域内の金融・資本市場に係る包括的な規制、2018年1月以降はMiFID IIが施行されています。

2008年の金融危機で世界的に金融規制が見直されたのをきっかけに、CySECでも規制強化が進みました。2023年現在、CySECはMiFID IIに準拠し、世界でも有数の厳格な審査基準で国際的に認められた金融ライセンスを発行しています。

また、CySECは投資家の金銭的損害を補償するために投資家補償基金(ICF)を設立しており、最大2万ユーロの補償(*2)が受けられます。
(*2)一般的にFXやCFDなどのデリバティブ商品は対象外のため、個別の問い合わせが必要です。

ESMAの規制が基準になる
CySECはESMAが決定した規制に準拠しています。CySECライセンスを保有する海外FX業者は、最大レバレッジ30倍・ゼロカットシステムあり・金銭的インセンティブが禁止となります。

オーストラリア証券投資委員会(ASIC)

オーストラリア証券投資委員会(ASIC)
正式名称Australian Securities and Investments Commission
設立年1991年オーストラリア証券委員会 (ASC) として運営を開始し、1998年に現名称に改名
所在地・キャンベラオフィス:Hub AustraliaCivic Quarter Level 1, 68 Northbourne Ave Canberra
・その他7つオフィスあり
使命不正行為を規制する一方で金融システムの発展を促進し、国民が安定的な経済生活を送れるように支援する
所管する法令Australian Securities and Investments Commission Act 2001(ASIC Act)など
登録確認ASICライセンス検索ページ
公式サイトhttps://asic.gov.au/
ASICの案内

オーストラリア証券投資委員会(ASIC)は、元々は株式や債券などの証券取引を規制・監督する組織に変わって1991年にオーストラリア証券委員会(ASC)として運営を開始しました。

その後、国民保険・預金受領・退職年金の健全な運用と保護を目的として、1998年に現名称ASICに改名しています。

海外FXで注目されるASICの方針転換は、2021年3月から開始したデリバティブ商品の新たな規制です。2018年に欧州証券市場監督機構(ESMA)が金融市場に適用した規制と調和の取れた内容で、特に以下2つの規制はユーザーが離れる原因になったでしょう。

  • 最大レバレッジ30倍に制限
  • ボーナスなどの金銭的インセンティブの禁止

同時に海外FX業者には「ゼロカットシステムの導入」が義務となったことから、ASICのユーザー保護の姿勢が強く表れています。

規制強化で流出する自国ユーザー
欧州のESMAが2018年に導入したCFDとバイナリーオプションの規制により、欧州ではオーストラリアのブローカーと取引するユーザーが2019年まで増加しました。2021年のASICの規制強化により、今度はオーストラリア国内では、海外の金融ライセンスでFXを提供する事業者が増えました。

ニュージーランド金融市場庁(FMA)

ニュージーランド金融市場庁(FMA)
正式名称Financial Markets Authority
設立年2011年
所在地【ウェリントンオフィス】 Financial Markets Authority, Level 2, 1 Grey Street, Wellington
【オークランドオフィス】Financial Markets Authority Level 5, Ernst & Young Building, 2 Takutai Square, Britomart, Auckland
使命公正・透明・効率的な金融市場の発展を目指し、企業・投資家・消費者の市場参加を促進する
所管する法令Financial Markets Conduct Act 2013(FMC Act)など
登録確認FMAライセンス検索ページ
公式サイトhttps://www.fma.govt.nz/
FMAの案内

ニュージーランド金融市場庁(FMA)は、政府との関係を保ちながらも独立的に金融市場を規制する機関として2011年に設立され、主に以下の取り組みをしています。

  • 金融機関の規制・監督
  • 企業と個人の違反や不正行為の調査と法執行
  • 消費者が適切な投資判断をするための公正な情報提供
  • 金融業界が顧客を公平に扱い、法律を遵守するためのガイダンス

公式サイトには一般消費者に向けた情報が多く、事業者の評価方法についても説明されています。

  • モニタリングレビューを実施して事業者が義務を遵守しているかを評価
  • 特定テーマに関して企業の活動を調査するためのテーマ別レビューを実施
  • 市場参加者からの情報(苦情など)の収集と対処

その他にも詐欺に関する豊富な情報や苦情の受付窓口の丁寧な案内があることから、消費者目線の情報発信に力を入れていることが分かります。

なお、海外FX業者は法令のFMC Actに基づいて、金融ライセンスを取得する必要があります。

金融庁(FSA Japan)

金融庁(FSA Japan)
正式名称金融庁/ Financial Services Agency
設立年2000年7月
所在地東京都千代田区霞が関3-2-1 中央合同庁舎第7号館
使命・金融の円滑化
・金融システムの安定
・利用者の保護と利用者利便の向上
所管する法令金融商品取引法など
登録確認金融庁のライセンス検索ページ
公式サイトhttps://www.fsa.go.jp/
金融庁の案内

金融庁(Financial Services Agency)は民間の金融機関や国際機関と協力して、日本国民の質量ともに充実した金融サービスを提供するためにきわめて重要な役割を担っています。

私たちが金融庁を身近に感じる取り組みとして、2024年から始まる新NISA制度があげられるでしょう。老後2,000万円問題や、人生100年時代が話題となったころから、日本でも資産運用の機運が高まっています。

海外FXについては、金融庁の無登録業者(*1)に対する警告書の発出をはじめ、日本での営業を許さない厳しい対応に注目が集まります。
(*1)金融商品取引法に定められている金融商品取引業者として登録をしていない事業者

使命にある利用者保護のとおり、日本居住者の資産を保護する役割を踏まえると、海外FX業者を利用しないように注意喚起することにも納得できるでしょう。

なお「海外FX業者が金融庁に登録しない理由」も参考にしてください。

海外FX業者の金融ライセンスを調べる方法

海外FX業者が保有する金融ライセンスを発行元(規制当局)の公式サイトで調べる方法を説明します。

2023年現在、マイナー業者による規制当局の名称の不正利用があり、過去には偽造ライセンスを掲載していた事例があります。

正確な情報を得るには、自ら発行元で調べる必要があるので、今回はXMTrading(エックスエム)が保有する金融ライセンスを例にして説明します。

STEP
海外FX業者の公式サイトで情報確認

まずは海外FX業者の公式サイトで3つの情報を確認します。

  • サービス運営会社の名称
  • 金融ライセンスの発行元
  • 金融ライセンスの登録番号

公式サイトの最下部までスクロールすると、3つの情報が掲載されています。

海外FX業者の公式サイトでは、ライセンス調査に必要な情報はページ最下部に掲載されています。

XMの金融ライセンス
出典:XMTrading

XMの金融ライセンス情報は以下の通りです。

Tradexfin Limitedは、証券ディーラーライセンス番号SD010の下、セーシェル金融庁(FSA)により規制されています。(後略)
Fintrade Limitedは、証券ディーラーライセンス番号GB20025835の下、モーリシャス金融サービス委員会(FSC)より、規制されています。(後略)

引用:XMTrading

XMは「Tradexfin Limited」と「Fintrade Limited」により共同運営されています。それぞれの規制当局は、前者がセーシェル金融庁(FSA)、後者がモーリシャス金融サービス委員会(FSC)です。

今回は、金融ライセンスの検索ページが用意されているFSCで説明します。

STEP
金融ライセンス発行元で検索

FSCライセンスの検索ページにアクセスした後、「Name」にXMの運営会社である「Fintrade Limited」を入力することで、検索結果に登録情報が表示されます。

海外FX業者の金融ライセンスの検索方法
出典:モーシャス金融サービス委員会

検索結果に表示されない場合の対処法
FSCライセンスの検索ページでは、海外FX業者名(XMTrading)や登録番号を入力しても登録情報が表示されません。他の発行元でも同様の場合がありますが、運営会社名の入力で表示されることが多いです。

STEP
登録内容を確認する

FINTRADE LIMITEDが2021年5月1日に登録されたことが記されています。

海外FX業者の金融ライセンスの登録情報
出典:モーリシャス金融サービス委員会

金融ライセンスの登録番号を基にして発行元の公式サイトから調べることにより、海外FX業者に関する偽りのない情報が得られます。

海外FXの金融ライセンスに関する注意点

海外FXの金融ライセンスに関する注意点を解説します。

信託保全が義務ではない

日本向けの海外FX業者が保有する金融ライセンスは、一般的に信託保全が義務になっていません。

業者が経営破綻した場合、ユーザーの資産である「入出金額・確定済み運用損益・未決済の評価損益」が返還されるか分かりません。

多くの海外FX業者は、分別管理により銀行で完全に保護されることを約束していますが、基本的に業者が手を付けられる状態ですし、倒産した場合には差し押さえられる対象になります。

また、分別管理先が非公表であることや、たとえ信託保全であっても信託スキームが分からないことから、大きな金額を預けたままにしないように注意しましょう。

海外FXの信託保全については別ページに詳しくまとめています。

金融ライセンス保有業者でもトラブル発生

金融ライセンスを保有する海外FX業者であっても、ユーザーとトラブルを起こしています。規制当局の監督下にあれば、安全が保証されるわけではありません。

X(旧Twitter)やYAHOO!知恵袋には、出金拒否や約定遅延などが報告されています。国民生活センターや金融庁が運営する相談室にも、海外FX業者とのトラブルの相談が見受けられます。

金融ライセンス発行元の規制当局による監査の基準には差があります。一部のオフショアでは、事業者の定期的な実態調査さえもされていないようです。

信頼性の低いライセンスのマイナー業者を利用した方がトラブルに巻き込まれやすいため、詐欺防止の観点からも主要業者を利用するようにしましょう。

SVGFSAは金融ライセンスを発行していない

SVGFSA(セントビンセントおよびグレナディーン諸島金融サービス庁)は、海外FX業者に金融ライセンスを発行していません。

ネット上の「SVGFSAの金融ライセンス」といった情報は間違っています。2023年9月における、規制当局からの注意喚起を確認しましょう。

SVGFSAからの警告:金融ライセンスを発行していない
出典:SVGFSA

上記の和訳は以下の通りです。

重要なお知らせ 
ライセンスのない外国為替/バイナリーオプション
外国為替取引のブローカー活動は、セントビンセントおよびグレナディーン諸島でライセンスが付与されていません。

当局が注意を呼びかける理由は、一部の海外FX業者が自社サイトで、SVGFSAで金融ライセンスを取得したかのような誤解を招く表現をしているからです。

多くの場合、SVGFSAで取得できるライセンスの一つである、国際的に事業を行うためのIBCライセンスです。対象業者は金融サービスに関する適切な規制を受けていないので注意しましょう。

オフショアライセンスも規制強化の動き

オフショアの一部の監督機関は、規制を強化しています。安い税金・緩い規制・秘密保持を売りにしてきた結果、国際的な金融犯罪に悪用されるようになり、世界各国からの避難が目立つようになりました。

セーシェル金融サービス庁は有害税制に対抗するための要件を満たし、税務上の透明性と情報交換に関する活動(*1)にも積極的です。
(*1)OECDのグローバルフォーラムおよびOECD/G20包括的枠組みにも参加

バヌアツ金融サービス委員会は2019年の規制強化により、市場の公正かつ健全性を促進し、事業者にとって魅力的な国際金融センターになるべく舵を切りました。

その他オフショアの監督当局もマネーロンダリング対策およびテロ資金供与対策(AML/CFT)には相当力を入れており、不正・違法行為の規制が厳しく行われています。

海外FXトレーダーとしては、ハイレバレッジやゼロカットの取引上のメリットを残したまま、オフショアライセンスの安全性向上に期待しましょう。

海外FXの金融ライセンスに関するよくある質問

海外FXの金融ライセンスに関するよくある質問と回答をまとめたので参考にしてください。

海外FXの金融ライセンスの種類は?

日本向けの海外FX業者に限定すれば、まずは6種類の金融ライセンスを押さえておけば良いでしょう。発行元は、モーリシャス・セーシェル・バヌアツ・ベリーズ・ケイマン諸島・イギリス領バージン諸島です。

金融庁に登録している海外FX業者はある?

金融庁に登録している海外FX業者はありません。ここで言う海外FX業者とは、日本居住者へのサービス提供が禁止されていない国や地域でライセンスを取得して活動する事業者を指します。

金融庁の無登録業者の利用は違法なの?

金融庁の無登録業者の利用は違法ではありません。日本居住者を勧誘する海外FX業者についてのみ、金融庁は該当行為をしないように警告しています。

海外FX業者が日本で金融ライセンスを取得しない理由は?

海外FX業者が日本で金融ライセンスを取得しない理由は、日本の法律(金融商品取引法)によりハイレバレッジとゼロカットの提供が禁止されるためです。また、景品表示法の規制により、高額ボーナスの上限も制限されます。

モーリシャスの金融ライセンスとは?

モーリシャスの金融ライセンスとは、モーリシャスで金融事業を行う際に必要な許可証のことで、モーリシャス金融サービス委員会(FSC Mauritius)が発行しています。

セーシェルの金融ライセンスとは?

セーシェルの金融ライセンスとは、セーシェルで金融事業を行う際に必要な許可証のことで、セーシェル金融サービス庁(FSA Seychelles)が発行しています。

ベリーズの金融ライセンスとは?

ベリーズの金融ライセンスとは、ベリーズで金融事業を行う際に必要な許可証のことで、ベリーズ国際金融サービス委員会(FSC Belize)が発行しています。

ゲムフォレックスは金融ライセンスを取得してた?

ゲムフォレックス(現Galaxy DAO)は金融ライセンスを取得せず、SVGFSA(セントビンセントおよびグレナディーン諸島金融サービス庁)から取得した国際事業会社としてのライセンスで活動をしていました。

XMの金融ライセンスはセーシェルとモーリシャスのどっち?

XMは2社で共同運営されており、セーシェルとモーリシャスの2か国から金融ライセンスを取得しています。「Tradexfin Limited」はセーシェルでライセンス番号:SD010で登録し、「Fintrade Limited」はモーリシャスでライセンス番号:GB20025835で登録しています。

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