12/4〜12/8:週間ドル円予想レポートまとめ

金融メディア各社の週間ドル円予想まとめ(2023/12/4-12/8)

週間ドル円予想まとめ

12月4日から12月8日のドル円相場は、短期的な下降トレンドから中期的にも下降トレンドへ移行するかを見極めていく週になると考えられます。

テクニカル分析では短期的な強い売りシグナルが示されてますが、ファンダメンタルズの観点からは、日米金融政策の格差に基づく円キャリートレードの再開期待が根強く、中長期的な押し目買いが入りやすい状況が続いています。

この記事では、信頼性の高い5つの金融メディアによる週間ドル円予想と、ドル円に影響を与える重要な経済指標を紹介します。

目次

各メディアの週間ドル円予想

12月4日から8日のドル円相場について、信頼性の高い5つのメディアによる週間予想をまとめました。これらの情報を一週間のトレード計画にご活用ください。

REUTERS:ドル上値重い、主要な米経済指標を見極め

来週の為替市場においては、ドルの上昇が鈍く、米国の利下げの展望に関する憶測が入り交じり、ISM非製造業景気指数と雇用統計に注目が集まります。また、日本銀行の政策に影響を及ぼす東京都の消費者物価指数(CPI)への関心も高いです。

一方で、FRB理事が早期利下げの見通しを否定する発言をしたことでドルの買い戻しが見られましたが、上昇の勢いは限定的です。日米間の金利差が狭まっていないことから、ドル円の下落時には買いが入りやすい状況です。
出典:REUTERS「著者:坂口茉莉子

またREUTERSによれば、みずほ銀行のチーフマーケットストラテジストは「テクニカル分析に基づくと現在ドル円は中期的に上昇トレンドを維持しているが、145円を割り込むと中期的なトレンドが反転する可能性がある」との見方を示しています。

三井住友銀行:ISMとパウエル議長発言に焦点、年末ドル円145円の可能性

来週、米国では11月の雇用統計とサービス業ISMの発表があり、今週末のパウエルFRB議長の発言(*)と11月の製造業ISMに注目が集まっています。パウエルFRB議長の発言は早期利下げ観測を牽制する可能性が高いと見ています。

11月の製造業ISMは小幅改善が予想されていますが、50を超える可能性は低く、勢いに欠けると見られています。雇用統計では、非農業部門雇用者数が小幅加速し、失業率上昇なら早期利下げ観測が高まるでしょう。

23年末に向けてドルは売られやすく、ドル円は145円程度まで下落すると予想しています。
出典:三井住友銀行「FOREX WEEKLY

(*)12月2日のNY外為市場ではドルが続落し、ドル円は147円を割り込みました。パウエルFRB議長がスペルマン大学での講演で、政策金利が景気抑制域に入ったと利上げ終了を示唆したためです。

FXSTREET:145.89円が視野、雲の下限を割り込む

FXSTREETのドル円のテクニカル分析(2023年12月1日)

ドル円の日足は下降トレンドが続いており、一目均衡表の雲を下回れば146.00円への下落が加速する可能性があります。雲の下限147.60円を終値で下回ると、147.00円を試す展開が予想されます。

147.00円を割り込めば(*)9月11日の安値145.89円が意識され、続いて9月1日の安値144.43円に向けて下落する可能性があります。一方で、雲の内側でレートを維持できれば、レンジ相場への移行が考えられます。
出典:FXSTREET「USD/JPY Price Analysis: Technical outlook

(*)パウエルFRB議長の利上げ終了を示唆する発言を受けてドル円の下落が加速し、日本時間2日の早朝、147円を割り込んでいます。

FX羅針盤:強い米経済指標でドル高円安トレンドの再開

日足ローソク足が主要テクニカルポイントを下抜けし、強い売りシグナルを示しています。ファンダメンタルズの観点では、米FRBの金融引き締めの長期化や、日銀の金融緩和政策の持続、日米金融政策の格差に基づく円キャリートレードの再開期待など、ドル円の上昇を示唆する要素があります。

4日以降の米経済指標が市場予想を上回った場合「利下げ開始時期の後ずれ観測→米長期金利急上昇→米ドル買いからドル円に強い上昇圧力」が考えられ、ドル高・円安トレンドの再開を予想しています。
出典:FX羅針盤「著者:照葉栗太

Bloomberg:ドル円は上値重い、雇用統計など米利下げの裏付けに焦点

来週のドル・円相場はやや下値リスクが意識される展開か。1日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言で行き過ぎた利下げ期待が修正される可能性はあるが、米国景気とインフレの鈍化傾向からドルの上値は重いとみられる。雇用統計中心に米経済指標が利下げ観測を裏付ける形となれば、ドル安・円高が進むリスクがある。

出典:Bloomberg「著者:酒井大輔

ドル円の予想価格(12月4日~8日)

各メディアによるドル円の予想レンジを一覧にしたので、トレード計画の参考にしてください。

メディア予想レンジ
REUTERS145.00~150.00円
三井住友銀行145.50~150.50円
FXSTREET(*)
FX羅針盤145.75~148.75円
Bloomberg
ドル円の予想価格一覧

(*)一目均衡表による分析で、9月11日の安値145.89円が、下落した際の第一目標と予想しています。

今週の重要経済指標リスト(12月4日~8日)

12月4日からの一週間に予定されている、ドル円に関連した重要な経済指標は以下の通りです。複数の金融機関が重視している指標のみを掲載しています。

発表日時タイトル(*)用語説明
5日 8:3011月東京都区部消費者物価指数(CPI)[前年同月比]商品やサービスの価格変化を示す
6日 0:0011月ISM非製造業景況指数サービス業の状態を示す
6日 22:1511月ADP雇用統計[前月比]農業関係以外で新たに雇用された就業者数を示す
8日 8:50四半期実質国内総生産(GDP)[前期比][年率換算]3ヶ月間に生産された商品とサービスの価値、国の経済規模
8日 22:3011月非農業部門雇用者数変化[前月比]農業部門を除く産業で働いている人の数とその増減の変化
8日 22:3011月失業率失業者と就業者の合計のうち失業者が占める割合
8日 22:3011月平均時給[前年同月比][前月比]農業部門以外の1時間あたりの給料
重要経済指標リスト(12月4日~8日)

(*)11月東京都区部CPI以外は全て米国の経済指標です。

12月8日(金)の22:30に、複数の米国の経済指標が発表されます。

指標前後の大きな値動きを狙った「中上級者向けXMの経済指標トレードのコツ」を別ページにまとめているので、興味があれば参考にしてみてください。

ドル円の中期トレンド、米経済指標で決定なるか

ドル円相場は上値が重い展開を続け、米国の利下げ観測に関連する経済指標に注目が集まっています。

12月2日にパウエルFRB議長が利上げ終了を示唆した発言に敏感に反応し、ドル円は147円を割り込みました。145円を下回ると中期的な下降トレンドの転換が見込まれます。

ファンダメンタルズの観点からは、押し目買いが入りやすい水準です。米国の経済指標が市場予想を上回る場合、ドル高・円安トレンドの再開が予想されています。

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