高いレバレッジや高額ボーナス、追証のないゼロカットと良いことだらけのように見える海外FX。
しかし、海外FXにもデメリットや注意点、利用のリスクが存在します。
国内FXとの比較から海外FXのメリット・デメリットの両面を見ていきましょう。
海外FXのメリット | 海外FXのデメリット |
---|---|
ハイレバレッジ取引が行える ゼロカットにより追証を抱える心配がない 豊富なボーナスが利用できる 取引銘柄が豊富 MT4・MT5が利用できる 約定力・注文執行率が非常に高い | 取引コストが高くなる 税金が高くなる可能性がある ハイレバレッジ取引で大きな損失を出す可能性もある 日本の法律が適用されない 入金・出金ルールが複雑 信託保全がない業者が多い 日本語対応がない業者がある 金融ライセンス未所持の悪質な業者もある |
海外FXの中でも安心して使えて初心者向けの業者を選びたい方は「海外FXのおすすめ業者ランキング」を参考にしてください。失敗しない口座の選び方も解説しています。
そもそも海外FXとは?
国内のFX会社とは違うなにかとして「海外FX」という業界が存在しています。
では海外FXとは厳密には何なのか、どんな業界を指しているのかハッキリさせておきましょう。
海外FX業者とは日本の金融庁に未登録のFXブローカーのこと
海外FX業者とは、厳密には日本の金融庁(FSA)に登録されていないFXブローカーのことを指します。
海外FX業者の多くは海外の各国でライセンスを取得し、それぞれの国の金融規制当局の監督下にあります。
ただし、日本の法律や規制には基本的に従わないため、日本の投資家はこれらの業者を利用する際には注意が必要です。
金融庁は海外FX業者の利用に対し注意喚起を行っている
金融庁は、海外FX業者を利用することについて、注意喚起を行っています。
その理由は、海外FX業者が日本の金融庁の監督対象外であるため、投資家保護の観点からリスクが伴うとされています。
具体的には、取引条件の不透明さやトラブル発生時の救済手段の不足などが挙げられます。
海外FXを使うことは違法ではない
一方で、海外FXを使うこと自体は違法ではありません。
日本の法律は、海外のFXブローカーを利用する行為を禁じているわけではなく、その選択は投資家自身に委ねられています。しかし、そのリスクを理解し、自己責任で行動することが求められます。
海外FXは高リターンを狙える一方で、それに伴うリスクも大きいのが実情です。
だからこそ、海外FX業者を利用する前に、その業者の信頼性やサービス内容、リスクをしっかりと理解することが大切となります。
海外FXと国内FXの違い
海外FXと国内FXはFX取引ができるという点においては共通していますが、取引条件などが大きく異なります。
海外FXと国内FXで特に顕著に見られる違いとしては以下の5つが挙げられます。
項目 | 海外FX業者 | 国内FX業者 |
---|---|---|
レバレッジの違い | 数百倍〜 (中には無制限もある) | 最大25倍 |
1ロットの違い | 1ロット=100,000通貨 | 1ロット=10,000通貨 |
税金の違い | 15〜55% (累進課税) | 一律20.315% |
注文方式の違い | NDD方式 | DD方式 |
スプレッドの違い | 広い | 狭い |
それぞれ、どのような違いなのか詳細な内容を確認していきましょう。
レバレッジの違い
レバレッジとは、簡単に言うと自己資金に対する取引可能額の倍率のことを指します。
レバレッジを利用することで、少額の資金でも大きな取引が可能になり、相応のリターンを期待することができます。
国内FXと海外FXの大きな違いの一つは、許されるレバレッジの上限です。
日本の金融庁は投資家保護の観点からレバレッジ制限しているため、国内FXでは最大25倍までしかレバレッジがかけられません。
一方で、海外FXではレバレッジは国や業者によりますが、多くの場合、200倍、500倍、あるいはそれ以上のレバレッジを設定することが可能です。
しかし、高レバレッジは大きなリターンをもたらす一方で、同時に大きなリスクも伴います。
レバレッジが高いほど、価格の小さな変動でも大きな損益を生じさせるため、十分なリスク管理が必要となります。
特に海外FXを利用する際には、自己のリスク許容度と資金管理能力を十分に理解した上で、適切なレバレッジ設定をすることが重要です。
1ロットの違い
ロットとは取引量の単位を指す言葉で、FX取引においては通常「通貨単位」として理解されます。
1ロットあたりの通貨量はFX業者によって異なりますが、一般的には国内FXと海外FXでロットサイズに違いがあります。
国内FXにおいては、1ロットは主に10,000通貨を指します。
これは、USD/JPYの取引で1ロットを購入した場合、1万ドルの取引が行われることを意味します。
一方、海外FXでは、1ロットのサイズはFX業者によりますが、一般的には100,000通貨を指すことが多いです。
しかし、海外FXではミニロット(10,000通貨)やマイクロロット(1,000通貨)、さらにはセント口座などの小口取引を可能にする業者もあり、初心者や少額取引を希望する投資家にも対応しています。
ロットの大きさは取引の利益やリスクを直接的に影響する要素であるため、自分の投資目標やリスク許容度に合ったロットサイズを選択することが重要です。
また、FX業者を選ぶ際には、提供されるロットサイズの種類にも注意を払いましょう。
税金の違い
海外FX業者と国内FX業者とでは下記のとおり、税制度に違いがあるため注意が必要です。
項目 | 海外FX業者 | 国内FX業者 |
---|---|---|
所得区分 | 雑所得 | 雑所得 |
課税方法 | 総合課税 | 申告分離課税 |
税率 | 15〜55% | 一律20.315% |
雑所得以外の所得との相殺 | 不可能 | 可能 |
損失の繰り越し | 不可能 | 3年まで可能 |
海外FXと国内FXでは利益の課税方法が大きく異なります。
海外FXは総合課税
海外FXで稼いだ利益には「総合課税」が適用されます。
総合課税とは、海外FXで得た利益だけでなく、給料や不動産所得など他の所得も合計した所得額から税金を計算する方法です。
例えば、年間の給与所得が400万円ある会社員が、海外FXで200万円の利益を得た場合、その税金は合計600万円の所得に対して課税されます。
国内FXは申告分離課税
一方、国内FXで稼いだ利益には「申告分離課税」が適用されます。
これは、FXの所得と他の所得をそれぞれ分けて税金を計算する方法です。
年間の給与所得が400万円ある会社員が、国内FXで200万円の利益を得た場合、それぞれ別々に課税所得を計算することになります。
税率は、一律20.315%と決まっており、どんなに利益が大きくなったとしてもそれ以上増えることはありません。
例えば、国内FXで200万円の利益が発生した場合、その納める税金額は2,000,000円×20.315%=406,300円となります。
海外FXでは稼ぐほど税率が高くなる
海外FXと国内FXでは利益にかかる税率も違います。
海外FXでは、所得が増えるほど税率も高くなり、所得が4,000万円を超えると最高45%の税率が適用されます。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円 ~ 1,949,000円 | 5% | 0円 |
1,950,000円~ 3,299,000円 | 10% | 97,500円 |
3,300,000円~ 6,949,000円 | 20% | 427,500円 |
6,950,000円~ 8,999,000円 | 23% | 636,000円 |
9,000,000円~ 17,999,000円 | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円~ 39,999,000円 | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円~ | 45% | 4,796,000円 |
さらに、住民税が約10%、復興特別所得税が所得税に2.1%をかけた金額が加算されるため、最終的には稼いだ利益のうち15〜55%前後の税金がかかります。
対して国内FXでは、所得にかかわらず税率は一律20.315%です(この税率には復興特別所得税や住民税(5%)も含まれています)。
海外FXのように、利益が増えても税率は上がりません。
注文方式の違い
海外FXと国内FXの注文方式には、大きな違いが存在します。
特に、DD(Dealing Desk)方式とNDD(Non Dealing Desk)方式の違いは理解しておくことが重要です。
項目 | 海外FX業者 | 国内FX業者 |
---|---|---|
注文方式 | NDD(Non Dealing Desk)方式 | DD(Dealing Desk)方式 |
定義 | 取引所や流動性プロバイダに直接つながり、業者は取引のマッチングのみを行う方式 | 取引所や流動性プロバイダと直接取引せず、業者自体が取引の対象となる方式 |
業者の役割 | 市場価格を直接反映し、顧客の注文を直接取引所や流動性プロバイダにつなげる | 自身が市場を形成し、顧客の取引に対して逆のポジションを取る |
取引スピード | 市場の流動性に依存 | 高速 |
スリッページ | 市場の流動性に直接影響を受けるため、生じやすい場合がある | 少ない |
取引環境の公平性 | 市場価格が直接反映されるため、公平な取引環境を提供できるとされる | 業者が顧客の取引に直接関与するため、一部では不公平さが指摘されることがある |
海外FX業者はNDD(Non Dealing Desk)方式を採用
海外FX業者の中には、NDD方式を採用しているところが多いです。
NDD方式とは、業者が取引の仲介とならず、顧客の注文を直接取引所や流動性プロバイダにつなげる方式を指します。
この方式では、業者は注文のマッチングのみを行い、市場価格そのものに影響を与えません。
そのため、市場価格が直接反映されるための公平な取引環境を提供できるとされています。
ただし、市場の流動性に直接影響を受けるため、取引量が少ない時間帯や大きな経済イベントがあった時にはスリッページが生じやすくなります。
国内FX業者はDD(Dealing Desk)方式を採用
一方で、国内のFX業者は多くがDD方式を採用しています。
DD方式とは、取引所や流動性プロバイダと直接取引せず、業者自体が取引の対象となる方式を指します。
これはつまり、業者が顧客の取引に対して逆のポジションを取り、リスクを管理しているということです。
業者自身が市場を形成しているため、取引スピードが速く、スリッページ(注文価格と実際の約定価格との差)が少ないというメリットがあります。
しかし、業者が顧客の取引に直接関与するため、一部では不公平な取引環境を生む可能性がある点がデメリットとして指摘されています。
DD方式は顧客と利益相反の関係になってしまう
DD方式の特徴的な点として、トレーダーからの注文が必ずしも注文が通されるわけではないという点が挙げられます。
FX業者は仲介役として注文を取り扱うため、トレーダーに不利な価格で注文をインターバンクへ通すこともあります。
これは、FX業者が顧客の注文を受けるときに反対売買を行い、その結果として顧客と利益相反の関係になるためです。
逆に、トレーダーの利益がFX業者の損失となってしまうため、故意にトレーダーの注文を流さないことも考えられます。
もちろん、そのような悪質な手口を使うFX業者ばかりではありませんが、注文が約定される過程を見れるわけではないので、真相を確かめる手段はありません。
信頼できるFX業者なら問題ありませんが、取引の透明性が不十分だと安心してトレードが行えないので、海外FX業者などのNDD方式を採用しているブローカーで取引するのが安全といえます。
スプレッドの違い
「スプレッドの違い」について触れると、国内FXと海外FXの間で顕著な差異が見受けられます。
具体的には、国内FXの方がスプレッドが狭いという特徴があります。
スプレッドとは、売り価格と買い価格の差を指し、トレーダーにとってはこの差が狭いほど取引コストが低くなり、より有利な取引が可能となります。
このスプレッドの狭さは、主に注文方式の違いから生まれています。
先述したように、国内FX業者が多く採用しているDD(Dealing Desk)方式では、トレーダーの負け分からでも利益を得ることができる構造になっているため、スプレッドから大きな利益を上げる必要がないのです。
そのため、国内FX業者ではスプレッドを狭く設定してトレーダーを集めることが可能となります。
一方、海外FX業者は多くがNDD(Non Dealing Desk)方式を採用しています。
この方式ではFX業者がトレーダーの注文を直接インターバンク市場に通すため、FX業者は主にスプレッドから利益を得ることになります。
その結果、スプレッドが広くなりやすい傾向があります。
海外FXを使うデメリットと注意点
それでは、海外FXを使う時にどのような点に注意する必要があるのでしょうか?
海外FXを使う時のデメリット・注意点としては以下の8点が挙げられます。
それぞれ詳しい内容を解説していきます。
取引コストが高くなる
海外FXを利用する際の一つのデメリットとして、国内FXと比較して取引コストが高くなる可能性があります。
これは、海外FXのスプレッドが一般的に国内FXよりも広いためです。
スプレッドとは、通貨の売り価格と買い価格の差を指し、これがトレーダーの取引コストとなります。
広いスプレッドは、トレーダーにとっては高い取引コストを意味します。
特に、スキャルピングやでトレードなどで取引回数が多いトレーダーにとっては、スプレッドの差は決して小さなものとはいえません。
ただし、海外FX業者の中には、様々なボーナス制度を提供しているところもあります。
例えば、口座開設ボーナスや入金ボーナス、その他独自のポイント制度などが該当します。
これらのボーナスをうまく利用することで、一部の取引コストを削減することが可能となります。
税金が高くなる可能性がある
海外FXを利用する際には、累進課税制度が適用されるため、取引で得た所得が多いほど税率が上がることが特徴です。
累進課税とは、所得が多いほど税率が上がるという税制のことで、先述したように、海外FX取引で得た利益は「総合課税」が適用されるため、その他の所得と合わせて課税所得が計算されます。
この雑所得の税率は年収に応じて累進的に上がるため、大きな利益を上げた場合、相応に高い税金が課されます。
一方、国内FXでは申告分離課税が適用されるため、一律の税率(20.315%)が適用されます。
そのため、高額な取引を行う予定のトレーダーは、取引結果によっては海外FXの方が税金が高くなる可能性があります。
しかし、累進課税制度は個々の年収やその他の所得状況により税率が変動するため、各自の状況に合わせて海外FXと国内FXのどちらを利用するかを検討することが重要です。
また、税金については細かい規定が多く、また税制改革により変わる可能性もあるため、最新の情報を確認し、必要ならば税務専門家のアドバイスをもらってみるのもいいでしょう。
ハイレバレッジ取引で大きな損失を出す可能性もある
海外FXでは、高いレバレッジを利用することが可能です。
これにより、少額の資金でも大きな取引を行うことができます。
ハイレバレッジ取引は大きなリターンを期待することができますが、市場が予想と反対に動くと自己資金以上の損失を被る可能性も出てきます。
そのため、ハイレバレッジ取引を行う際には、そのリスクを理解し、慎重な資金管理が求められます。
日本の法律が適用されない
海外FXはその名の通り、海外のFX業者が提供するサービスを利用するものです。
そのため、取引を行う際は日本の法律ではなく、業者が登録されている国や地域の法律が適用されます。
これにより、トレーダーは日本の法律で保護されることがなく、海外の法規制に従わなくてはなりません。
海外FX業者を使う場合は、トレーダー自身が自分の権利を守るために、国内FX業者を使うとき以上に十分な知識を持つことを意識する必要があるといえます。
例えば、トレーダーが何らかの問題に直面した場合、日本の金融機関や消費者保護機関に頼ることはできません。
そのため、海外FX業者を選ぶ際は、その業者が信頼できるものであること、適切な規制を受けていることを確認することが重要です。
さらに、海外FXの取引には独自の規則や条件があります。
これらの規則や条件を理解していないと、予期しないリスクや損失に直面してしまうことも少なくありません。
そのため、取引を始める前に、必ず業者の利用規約や取引条件をよく読み、理解しておくことが大切です。
入金・出金ルールが複雑
海外FXを利用する際には、業者ごとに対応している入金・出金ルールが異なるという事実を理解しておくことも重要です。
業者ごとに利用できる入金・出金方法が違うため、自分がメインで利用する銀行口座から海外FXの口座への送金ができないといった状況も生じることもあるでしょう。
また、入金には対応しているが出金には対応していない送金手段があるケースも存在します。
例えば、クレジットカードや特定のオンラインウォレットでの入金が可能でも、同じ方法での出金が制限されている場合もあります。
入金・出金に関しての複雑なルールは、AML(アンチ・マネー・ロンダリング)の規制などからきており、各業者は不正な資金移動を防ぐためにかなり厳密に設定されています。
入金・出金に関する制約は、海外FXの取引の一部として理解し、適応していく必要があります。
業者を選ぶ際には、自分の利用する可能性が高い決済方法がサポートされているかを事前に確認することが大切です。
取引ルールだけでなく、入金・出金ルールについても十分に理解して取引を進めていくことで、スムーズに海外FX取引を行うことができます。
信託保全がない業者が多い
「信託保全がない業者が多い」という点は、海外FXを利用する際のデメリットとなります。
多くの海外FX業者は、顧客の資金を独立した信託口座に保管する「信託保全」を行っていないことがあります。
これは国内の業者と大きく異なる点で、重要な注意点となります。
信託保全が行われていない場合、顧客の資金の安全性が保証されていないため、万一業者が破綻した際に返金が困難になる可能性があるからです。
そのため、海外FXを選ぶ際は信託保全が行われているかどうかを必ず確認し、もし行われていない業者であれば、それに伴うリスクを十分理解した上で取引を行うべきです。
日本語対応がない業者がある
海外FXを利用する際の一つのデメリットとして、全ての業者が日本語に対応しているわけではない点が挙げられます。
例えば、取引画面やユーザーサポート、さらには重要な契約条件や規約が英語や他の言語で提供され、日本語のサービスが不完全、あるいは全くないこともあります。
日本語非対応の海外FX業者を利用すると、言語の壁が生じ、取引に関連する情報の理解が困難になることも可能性も否定できません。
また、トレードに関する問題や技術的なトラブルが発生した場合、自身で解決するか、英語など他の言語でサポートに問い合わせることが必要となってくるでしょう。
したがって、海外FXを始める際には、業者が日本語に十分対応しているかを確認することが重要となります。
万が一トラブルが発生したときに、円滑に対応できるように、適切なサポート体制が整っている業者を選びましょう。
金融ライセンス未所持の悪質な業者もある
海外FXの世界には、非常に多くの業者が存在しますが、その中には残念ながら金融ライセンスを未所持の悪質な業者も存在します。
金融ライセンスを未所持の業者は、潜在的な金融リスク、顧客の資金保護の不備など、トレーダーにとって多くの問題を引き起こす可能性も少なくありません。
ライセンス未所持ということは、どこかの地域の金融監督当局の規則や指導を受けていないため、不正行為を行っても罰せられる可能性が低いという問題があります。
これは、顧客の投資資金が十分に保護されていない可能性を示しており、大きなリスクを伴います。
したがって、海外FXを行う際は、取引を行う業者が適切な金融ライセンスを持っているかを確認することが非常に重要です。
金融ライセンスを持つ業者は、金融監督機関によってその運営が監視され、規制されているため、トレーダーの資金と取引が適切に保護されます。
海外FXを使うメリット
ここまでデメリット・注意点について見ていきましたが、海外FXには以下のようなメリットも存在します。
ハイレバレッジ取引が行える
海外FXの大きな魅力の一つは、ハイレバレッジ取引が可能であるという点です。
レバレッジとは、自己資金以上の取引を可能にするシステムのことを指し、その効果により小さな資金でも大きな取引を行うことができます。
日本のFX業者では金融庁の規制によりレバレッジは25倍までと制限されていますが、海外FXではレバレッジ500倍、場合によっては1,000倍以上の取引を許可している業者も存在します。
レバレッジにより、より大きな取引を行い、大きな利益を得るチャンスが広がります。
ただし、「ハイレバレッジ取引で大きな損失を出す可能性もある」でも説明したように、ハイレバレッジ取引はリスクも大きいため、自己のリスク許容度をしっかりと理解した上で取引を行うことが重要です。
慎重なリスク管理・資金管理のもと適切なレバレッジを利用しましょう。
ゼロカットにより追証を抱える心配がない
海外FXのもう一つの大きなメリットは、多くの業者が提供している「ゼロカットシステム」により、追証のリスクを抱える心配がないという点です。
ゼロカットシステムとは、取引の結果、投資家の口座の残高がマイナスになった場合でも、そのマイナス分を追加で支払う必要がないというシステムです。
国内FX業者にはない制度となっており、ゼロカットシルテムが導入されている海外FX業者では自己の出資した証拠金以上の損失を出すことなく、取引を終えることが可能になります。
特にハイレバレッジ取引を行う場合、市場の急激な動きにより大きな損失を出すリスクがありますが、ゼロカットシステムの導入により、証拠金以上の損失を負担するリスクがなくなります。
これは、海外FX取引のリスクを大幅に軽減する重要な要素と言えるでしょう。
豊富なボーナスが利用できる
多くの海外FX業者は、新規口座開設ボーナスや入金ボーナス、取引ボーナスといった、さまざまな形でのボーナスを提供しています。
ボーナスは証拠金として利用でき、トレーダーはこれにより本来の証拠金以上の取引を行うことが可能です。
これにより、投資家は大きな利益を狙うチャンスが増えるだけでなく、一方で証拠金以上のリスクを負うことなく、潜在的なリターンを最大化することが可能となります。
さらに、これらのボーナスは取引の機会を増やすだけでなく、取引の自由度を高め、投資戦略の幅を広げる助けともなります。
例えば、未入金で受け取れる口座開設ボーナスを使えば、自己資金を一切使うことなくリアルトレードを行うことが可能です。
このように、ボーナスならではのトレードでリスクの高い戦略も取りやすくなります。
ただし、ボーナスには一定の取引量を満たすなどの条件がつくことが多く、またボーナスの額や種類は業者によって大きく異なるため、各業者のボーナス内容とその条件を理解した上で利用することが重要です。
取引銘柄が豊富
海外のFX業者は、さまざまな国の通貨ペアに加えて、貴金属やエネルギー商品、世界中の主要な株価指数など、幅広い銘柄を取り扱っています。
最近では仮想通貨の取引も活発になっており、さまざまなコインを一つの業者で取引することが可能です。
このような銘柄の豊富さは、投資家が投資戦略を多様化する上で大きな利点となります。
たとえば、通貨だけでなく、コモディティや株価指数を組み合わせることで、より多角的なリスク分散を行うことが可能です。
また、さまざまな銘柄の中から投資対象を選べることで、世界的な経済動向に対する理解を深め、市場の動きを多角的に把握する力を養うこともできます。
さらに、取引銘柄が豊富であることは、自分自身の投資スタイルやリスク許容度に合わせた取引を行う上での自由度を高めるといった意味でも、非常に重要な要素といえるでしょう。
MT4・MT5が利用できる
MT4(MetaTrader4)とMT5(MetaTrader5)は、世界中のトレーダーに広く利用されている高機能な取引プラットフォームです。
MT4・MT5では高度なチャート分析機能やインディケーター、自動取引(EA)の設定が可能で、これらの機能は複雑な市場分析を行うための重要なツールとなっています。
特に、MT4はその使いやすさと柔軟性から多くのトレーダーに愛され、世界中のFX業者で採用されています。
MT5はMT4の後継モデルとして開発され、更に多機能で取引銘柄も多く、株式や商品なども取引できます。
また、MT4・MT5共にプログラム言語「MQL4・MQL5」を用いたEAの構築やバックテストが可能なため、システムトレードを行いたいユーザーにとっても便利なプラットフォームです。
しかしながら、日本のFX業者では、取引プラットフォームとしてMT4・MT5を提供している業者は少ないのが現状です。
そのため、これらの取引プラットフォームを利用したいトレーダーにとって、海外FXの利用は大きなメリットとなります。
ただし、MT4・MT5を使いこなすためにはそれなりのスキルと理解が必要となりますので、初心者の方はしっかりと学習と訓練を積むようにしましょう。
約定力・注文執行率が非常に高い
約定力とは、注文した取引が確実に実行される力のことを指します。
約定力が高いということは、投資家が指定した価格で取引が実行されやすいということで、これは大変重要な要素となります。
なぜなら、約定力が十分でない場合、思ったポイントでのエントリー注文やクローズ注文が行えないため、想定外の損失が出る可能性があるからです。
特に、早朝の時間帯や経済指標発表前後などは市場の流動性が低下し、約定力が低くなりやすいと言われています。
そのため、そういった状況に対応するためには約定力の高い業者を選ぶのがおすすめです。
海外FX業者では、高い約定力・注文執行率を実現している業者が多く見られます。
これは大きなメリットとなりますが、どの業者が高い約定力を持っているのかは、公式サイトの情報や評判・口コミを参考にするといいでしょう。
また、心配な方はまずは少額で試しに取引を行い、その業者の約定力を確認することも一つの方法と言えます。
海外FXと国内FXどっちがいいの?
海外FXと国内FX、どちらが良いのかは、トレーダー個々の取引スタイル、リスク許容度、期待リターンなどに大きく依存します。
それぞれの特徴と利点、欠点を理解した上で、自身の投資方針に最も適したものを選択することが重要です。
海外FXがおすすめな人 | 国内FXがおすすめな人 |
---|---|
ハイレバレッジ取引で大きなリターンを狙っている人 メジャー通貨以外も取引したい人 MT4・MT5でEAやインディケーターを利用したい人 | 安定した取引環境を求める人 取引コストをできる限り抑えたい人 英語が苦手な人 |
海外FXがおすすめな人
- ハイレバレッジ取引で大きなリターンを狙っている人
- メジャー通貨以外も取引したい人
- MT4・MT5でEAやインディケーターを利用したい人
海外FXは、ハイレバレッジ取引が可能で、より大きなリターンを狙いたいトレーダーにおすすめです。
また、豊富な取引銘柄や利用可能なボーナスなど、国内FXにはない魅力的な特徴もあります。
そのため、多様な取引銘柄を探求したい方、またはMT4・MT5で最新のEAやインディケーターを利用して洗練された取引を行いたい方にも海外FXは適しています。
ただし、高いリスクに対する理解と対策、また海外FX業者の安全性・信頼性の吟味には慎重さが求められます。
利益が大きくなる場合は、累進課税制度により納税額が増える点にも注意必要です。
国内FXがおすすめな人
- 安定した取引環境を求める人
- 取引コストをできる限り抑えたい人
- 英語が苦手な人
国内FXはその安全性と信頼性から、初めてFX取引を始める人や安定した取引環境を求める人に向いています。
国内業者は金融庁の厳しい規制下にあり、顧客資金の信託保全が義務づけられているため、安心して取引を行うことができます。
また、海外FXのように日本語対応がされていないということもないので、英語が苦手な方でも安心して利用可能です。
さらに、スプレッドが狭く取引コストを抑えやすいことも魅力です。
海外FXのように高レバレッジでの取引はできませんが、それにより大きな損失を被るリスクも低くなります。
そのため、リスク管理を重視するトレーダーや初心者にとっては、国内FXがおすすめです。
海外FX業者を選ぶ時の注意点
海外FX業者は数多く存在しますが、それぞれ取引条件などが異なります。
したがって、業者選びをする際にも気を付けておかなくてはならない注意点がいくつかあります。
海外FX業者を選ぶ時の注意点は下記のとおりです。
スプレッド・取引手数料に関する注意点
海外FX業者を選ぶ際には、スプレッドや取引手数料の詳細に十分注意することが必要です。
スプレッドや取引手数料などの取引コストはブローカーごとに大きく異なるので、業者選びを失敗すると取引成績に大きな影響を与えることになります。
特に、スキャルピングなどの頻繁に取引を行う戦略を主に用いている場合、一回の取引での利益は小さいため、スプレッドや取引手数料がトレードの利益に大きく影響します。
また、一見スプレッドが狭いように見える業者でも、市場のボラティリティが高い早朝の時間帯や経済指標発表前後などではスプレッドが開くことも珍しくありません。
これは取引コストの急増につながり、予想外の損失を引き起こす可能性があります。
そのため、各ブローカーのスプレッドの開き方や取引手数料の詳細を確認し、自身の取引戦略と最適にマッチした業者を選ぶことが重要です。
スワップポイントに関する注意点
海外FX業者選びにおいても、スワップポイントの詳細を確認することは重要なポイントの一つです。
スワップポイントはスプレッドと同様に、ブローカーごとにその条件が大きく異なります。
そのため、自身の取引スタイルや投資目的に合わせて、スワップポイントの高さや条件を考慮しましょう。
また、スワップポイントは各国の金利水準や通貨ペアによって影響を受けますので、金利が変動するとスワップポイントも大きく変動します。
そのため、スワップポイントに関しては定期的に確認を行い、最新の情報を把握することが重要です。
一見スワップポイントが高いように見えても、その状況が一定であるとは限らないため、注意が必要です。
ロスカット水準に関する注意点
海外FX業者を選ぶ際には、ロスカット水準の確認も必須の注意点となります。
ロスカット水準とは、証拠金維持率が一定の水準まで下がった場合に自動的に全ポジションが強制決済される数値のことを指し、投資家の大きな損失を防ぐための重要な機能です。
各ブローカーではこのロスカット水準が大きく異なるため、選択する前にその詳細を確認することが求められます。
ロスカット水準が高く設定されている業者では、市場の急変動時にすぐにポジションがクローズされてしまうため、証拠金額に余裕を持たせておく必要があります。
ロスカット水準は、自身のリスク許容度やトレーディングスタイルに合わせて選択しなくてはなりません。
資金が少ないが効率よく利益を狙っていきたい場合などは、できる限りロスカット水準が低い業者を選ぶのがおすすめです。
取引ルールに関する注意点
海外FX業者を選ぶ際には、取引ルールに関しても十分な注意が必要です。
各ブローカーによっては、スキャルピングの可否や、自動売買の許可、両建て(同一通貨ペアでの売りと買いを同時に行うこと)の許容度など、特定の取引方法について独自のルールを設けている場合があります。
これらのルールを事前に理解しておかなければ、予期しない制約に直面したり、最悪の場合、出金拒否や口座凍結といった重大な措置を受けることもあります。
特に、スキャルピングや自動売買は短時間で多数の取引を行うため、ブローカーによっては「システムに負荷がかかる」などの理由から制限を設けていることも珍しくありません。
また、両建ては、「同一口座間では行う分には問題ないが、異なる口座間や違う業者の口座を使った両建ては禁止されている」というケースが多いです。
ブローカーの公式サイトや利用規約などで取引ルールをしっかりと確認し、問題がないことを確認した上で口座を開設しましょう。
レバレッジ制限に関する注意点
ハイレバレッジ取引が可能な海外FXですが、業者によっては証拠金額やポジション保有数に基づいてレバレッジ制限を設けることがあります。
また、市場のボラティリティが高まり、相場が荒れやすいと予測される早朝や経済指標発表の前後などでは、一部のブローカーがレバレッジ制限をかける場合があります。
さらに、同じブローカー内でも口座タイプによって最大レバレッジが異なることもあります。
特に、スプレッドが低いタイプの口座では、レバレッジが低く設定されている傾向があります。
これは、低スプレッド口座が頻繁な取引を行うスキャルピングトレーダーに向けて設定されているため、リスク管理の観点からレバレッジを制限している場合が多いからです。
これらの要点を鑑みて、自分の投資スタイルやリスク許容度に適したブローカーを選ぶことが大切です。
ブローカーの公式サイトや取引条件などでしっかりとレバレッジ制限について確認し、理解した上で口座を開設することをおすすめします。
最低入金額や最低出金額に関する注意点
海外FX業者を選ぶ際の重要な項目として、「最低入金額」や「最低出金額」についての確認も必要です。
これらの最低額は、各FX業者や口座タイプによって異なります。
そのため、選択する業者や口座タイプにより、投資や出金の自由度が大きく変わることもあります。
例えば、最低入金額が高額に設定されている業者では、少額投資を望むトレーダーであっても、最低入金額以下の資金ではトレードを開始することができません。
同様に、最低出金額が高額であると、資金の一部を引き出したいときでも全額を引き出さなければならないといった不便さが生じる可能性があります。
このような観点から、最低入金額や最低出金額は、口座開設前に必ず確認しておく必要があります。
自身の投資予算やリスク許容度、資金運用の自由度などに合わせて、適切な業者と口座タイプを選ぶことが大切です。
選択できる口座通貨に関する注意点
海外FX業者を選ぶ際、口座通貨の選択も一つの重要な要素です。
口座通貨とは、その口座で取引や入金・出金を行う際に基本通貨ことです。
各業者により、選択できる口座通貨は異なるため、それを確認することが重要です。
海外FX業者の中には、日本円が口座通貨として選択できない業者も存在します。
この場合、通常は外国通貨(例えばドルやユーロ)を口座通貨として選ぶことになりますが、日本円で入金・出金を行う際にはその都度、為替レートの変動の影響を受けることになってしまいます。
こういったケースでは為替レートによる予想外の損失を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
海外FXに慣れていない方は、考えることが増えると余計な損失が増える可能性があるので、口座通貨として日本円を選ぶことができる業者を使いましょう。
海外FXの注意点についてよくある質問
- 海外FX業者を選ぶときの注意点としてはどのようなことがありますか?
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海外FX業者は信頼性・安全性を見極めることが重要です。
まずは金融ライセンスの有無を確かめて、安心して取引できる環境かを確かめましょう。
また、海外FX業者はそれぞれで独自のルールを設けているため、細かい取引条件の違いなどについて注意する必要があります。
特に、スプレッドは取引コストとしてトレード成績に影響するので、確認しておきましょう。
- 海外FXのスプレッドとは何ですか? スプレッドが広いとどのような影響があるのですか?
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スプレッドとは売値(Bid)と買値(Ask)の価格差のことです。
スプレッドが狭ければ取引コストが安くなり、逆にスプレッドが広いと取引コストが高くなります。
スキャルピングなどで取引回数が多くなる方は取引コストが増えるため、スプレッドの狭い業者を選ぶのがおすすめです。
- 海外FXでの取引ルールは何に注意すべきですか?
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注意しておくべき取引ルールとしては、スキャルピングや両建てが可能かどうか、レバレッジ制限の有無、口座の通貨種類、入金・出金ルール、ロスカット水準などが挙げられます。
- 海外FX業者が金融ライセンスを持っていない場合、どのようなリスクがありますか?
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日本の税法では、FX取引による利益は「雑所得」に分類され、その金額に応じて所得税が課せられます。
雑所得が20万円を超える場合、税金が課されます。
また、雑所得が200万円を超えると住民税も発生します。
なお、海外FXでの利益にかかる税率は所得によって段階的に上がり、所得税は5%から45%、住民税は10%です。
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