韓国は日本との距離も近く、FXに関する規制や税制も似通った要素が多い国です。
海外赴任などを理由に「韓国だと不利な状況で取引することになるのでは?」とFXから距離が遠くなる方もいるかも知れません。
とは言え、韓国のFXに関する規制を理解しておくと、実は国内FXよりも有利な条件で稼げる場合もあります。
本記事では、韓国でFXを始める方法と韓国ならではの税金面のメリットなど徹底的に解説をまとめました。
韓国でFXを始める方法
ここでは、韓国でFXを始める方法をご紹介します。
どのFX業者を使う場合でも、以下の口座開設~入金までの流れは同じなので具体的な取引を始めるまでの手順を確認しておきましょう。
FX業者で口座を開設する際には本人確認(KYC)が必要になります。
居住国の公的機関が発行した身分証明書と居住地が確認できる現住所確認書類が必要です。
実際の手続きでは、以下の身分証明書・現住所確認書類を各1点ずつ、本人確認書類としてスマホ等で画像を撮影して準備しておきましょう。
- パスポート
- マイナンバーカード(公的機関が発行するIDカード)
- パスポート
- 在留カード
画像を撮影する際は、書類の四隅が画角に収まっており、記載されている情報がしっかりと読み取れるように気を付けて撮影しましょう。
本人確認書類の画像を準備できたら、韓国国内のFX業者もしくは韓国からの利用可能な海外FX業者で口座開設を申し込みましょう。

居住国はKorea(韓国)を選び、メールアドレス・パスワードを設定して、XM Globalのアカウントを作成しましょう。
口座開設の申請(アカウントの作成)が完了すると、登録したメールアドレス宛てにメール認証が送信されます。

メール本文のリンクから、XM Globalのアカウントにログインして次の手続きを進めていきましょう。
XM Globalの場合は最初に開設する口座タイプを選びます。FX業者によっては、本人確認が口座開設の前に必要な場合もあります。
XM Globalが提供している各口座タイプの特徴は以下の通りです。
- Ultra Low Micro Account:1ロットが1,000通貨のミニマム取引ができる口座タイプ
- Ultra Low Standard Account:1ロットが10万通貨で標準的な口座タイプ
- XM Zero Accounts:低スプレッドに特化した上級者向けの口座タイプ
初心者の方は「Ultra Low Standard Account」上級者の方には「XM Zero Accounts」がおすすめです。
口座タイプの選択後は、個人情報と投資家情報を登録します。
基本的に海外FX業者の場合は、口座開設の審査としてではなく、顧客情報の一部としてアカウント詳細は登録されます。
最初に準備した本人確認書類を提出するKYC(本人確認)の手続きを進めましょう。
本人確認書類の画像を提出すると、XM Globalの場合は1営業日以内に認証が完了し、口座の有効化が完了します。
口座の有効化が完了したらトレード資金を入金して取引を始めましょう。
FX業者では、複数の入金方法が用意されています。基本的には銀行送金が使いやすいのでおすすめです。
韓国でFXをすると発生する税金
ここでは、韓国でFXをすると発生する税金について解説していきます。
FXで発生した所得に対する課税は、韓国と日本で共通点は多いものの、実際の税金額や課税方法に違いがあることを確認しておきましょう。
所得税(税率最大45%)
韓国でFXを行う場合、年間1,400万ウォンを超える利益は総合課税の対象となります。
総合課税では他の所得との合計に対して累進課税方式が適用され、その合計の所得に応じて税率が6%から45%まで所得税率が変動します。
以下に累進課税の具体例を示した表を用意しました。
課税所得額(年間) | 税率 |
---|---|
1,400万ウォン以下 | 課税標準の6% |
1,400万ウォン超~5,000万ウォン以下 | 582万ウォン+4,600万ウォン超過額の24% |
8,800万ウォン超~1億5,000万ウォン以下 | 1,590万ウォン+8,800万ウォン超過額の35% |
1億5,000万ウォン超~3億ウォン以下 | 3,760万ウォン+1億5,000万ウォン超過額の38% |
3億ウォン超~5億ウォン以下 | 9,460万ウォン+3億ウォン超過額の40% |
5億ウォン超~10億ウォン以下 | 1億7,460万ウォン+5億ウォン超過額の42% |
10億ウォン超~ | 3億8,460万ウォン+10億ウォン超過額の45% |
例えば、年間所得が1億6,000万ウォンの場合、1億5,000万ウォン部分には3,760万ウォン、残りの1,000万ウォン部分には38%が適用される計算となります。
キャピタルゲイン税は発生しない
韓国ではFX取引の利益は総合課税の対象であり、キャピタルゲイン税(資産を売却した利益に対する税金)は発生しません。
キャピタルゲイン税は、株式や不動産投資などで課されます。
しかし、韓国ではFXの利益は国内FX・海外FXの何れも総合課税の対象となる所得として取り扱われます。
他の所得と同じく所得税を支払うため、別途キャピタルゲイン税が発生することはありません。
韓国でFXをするメリット
ここでは、韓国でFXをする具体的なメリットとして以下の2つをご紹介します。
日本との距離も近い韓国ですが、FXで稼ぐ上で日本にはないメリットがあります。
居住国の規制を理解しておき、最も有利なトレード環境で効率よく稼ぐヒントを探してみましょう。
海外FXと国内FXで税率が変わらない
韓国では、国内FXと海外FXで発生したそれぞれの所得について特に税制上の違いはありません。
つまり、海外FXを使ったからと言って、税金が高くならないことが韓国でFXをするメリットです。
例えば、日本の場合は国内FXで発生した所得は申告分離課税が適用され、所得税率は稼いだ金額を問わず、一律となることで年間の利益が大きいトレーダーほど節税効果が期待できます。
一方で、韓国では国内FX・海外FXのいずれも所得の合計に対して所得税率が変動する累進課税が採用されています。
少額の利益は税率が安い
韓国では、FXの所得については以下の累進課税が適用されます。
韓国の累進課税では、所得に応じて定額の所得税+一定の金額を超えた分に対しての所得税を支払う形となるため、最終的な所得税の金額は日本よりも安くなりやすいです。
例えば、所得合計が500万円の場合と仮定して韓国と日本で現在の為替レートを元に所得税をシミュレーションしてみましょう。
所得合計500万円の所得税率は20%で控除額は427,500円
(5,000,000円ー427,500円)×所得税率20%」で計算すると
所得税は914,500円
所得合計500万円の所得税率は15%で定額の所得税分が約77,000円
所得合計から77,000円を差し引いた金額から130万円を超えている金額に対して所得税を計算するため
(5,000,000円ー77,000円)ー1,300,000円=3,623,000円、3,623,000円×15%+77,000円=620,450円
所得税は620,450円
同じ500万円相当の所得でも韓国の方が所得税が約30万円ほど少なく済むことが分かります。
ただし、年間の所得が1億円を超えてくると日本の所得税の最大税率45%と同じになるため、大口取引を行うようなプロトレーダーは節税するためには法人化などを検討する必要があります。
韓国でFXをするデメリット
ここでは、韓国でFXをする具体的なデメリットとして以下の4つをご紹介します。
FXトレーダーにとって主に税金面のメリットが多い韓国ですが、隠れたデメリットはないかしっかり確認しておきましょう。
日本のFX業者が利用できない
日本から海外赴任や移住などを理由に韓国へ移る場合、今まで使っていた国内FX業者が利用できなくなります。
海外からの取引はできますか。
外貨exは国内向けサービスとなっておりますので、海外からのお取引はご遠慮いただいております。
なお、海外在住の場合はもちろん、一時的に海外に滞在された場合も含め、海外からのお取引はご遠慮くださいますよう、お願いいたします。
引用:GMO外貨
日本では、金融庁に登録する国内FX業者は国内の日本居住者に対してサービスを提供することになります。
海外からの利用は規制されており、FXを引き続きするなら、韓国で登録されている韓国国内のFX業者もしくは、韓国から利用できる海外FX業者のアカウントが必須です。
国内FX業者は最大20倍レバレッジ
韓国では、元々日本よりレバレッジ規制が緩く、以前までは最大50倍レバレッジで取引できました。
しかし、2009年9月1日より韓国の国内FX業者に対するレバレッジ規制が強化され、最大20倍レバレッジに上限が規制されています。
3. Strengthened Regulation on FX Margin Trades
Increased margin requirement: 2% → 5%
Margin requirement will be raised from 2% to 5% to limit the leverage effect to 20 rather than 50. This will be in effect from September 1, 2009.
(証拠金率が2%から5%に引き上げられ、レバレッジが最大50倍から20倍に制限されます。この変更は2009年9月1日から適用されます。)
ただし、このレバレッジ規制は韓国の国内FXを対象としており、韓国国外の海外FXには適用されません。
韓国の税制上、海外FXも国内FXと同じ税率が適用されることを踏まえると、海外FXを使った方が取引条件などより良い環境でトレードができることが分かります。
海外への送金に上限がある
韓国では、海外へ年間5万ドルの送金に上限があります。
この制限は、海外FX業者を利用する際にも適用される可能性があるため注意が必要です。
対策としては、海外FXの入出金には韓国の国内の銀行を使い、銀行で送金に関する申請などを求められた場合に必ず従うようにしましょう。
KRW(韓国ウォン)の価値が下がりやすい
韓国の法定通貨である韓国ウォンを証拠金に使いFX業者で取引を行う場合、実質の利益が減る可能性があります。
なぜなら、韓国ウォンの価値は長期的にみると、緩やかに価値が下がり続けているからです。

実際に対ドルで韓国ウォンの変動を見ると、前回の2021年の高値から700日間で-17.83%の下落をしており、3年程度の期間で手持ちの韓国ウォンは2割近く価値を落としていることになります。
したがって、韓国でFXをすることで、韓国ウォンの価値低下に対するリスクヘッジにもなりますし、米ドルを証拠金にすれば、韓国ウォンに為替した際に多くの所得が得ることも可能です。
韓国居住者におすすめの海外FX業者3選
ここでは、韓国居住者が利用できるおすすめの海外FX業者3社をご紹介します。
韓国は、海外FX業者を使っても税金が高くなるというデメリットがないため、国内FX業者より取引条件の良い海外FX業者を使って効率良くトレードができます。
XM Global
XM Global(エックスエム)は、日本でも同じみのXMグループが運営する海外FX業者です。
世界で1,000万以上のクライアントを抱える大手の海外FX業者なので、入出金が早く、悪質な出金拒否のない安心・安全なトレード環境が最大の魅力になります。
取引条件では、最大1,000倍レバレッジと執行率100%の約定力が強みです。
また、XM Globalは、取り扱い銘柄も多く、債券・ETFを除くほぼ全ての市場を取引できます。
ただし、XM Globalは法人口座に対応していないため、韓国で法人口座を開設しようとしている方は注意が必要です。
Exness
Exness(エクスネス)は、韓国から利用できる中で最も高いレバレッジを提供している海外FX業者です。
Exnessでは往復5ロット以上と10回以上の取引で口座残高1,000ドル相当まで無制限レバレッジが利用できます。
無制限レバレッジは全口座タイプ共通で選択でき、初心者向けのスタンダード口座から低スプレッドに特化したロースプレッド口座まで、幅広いトレードスタイルに対応しています。
ただし、居住国に応じて入金額に制限があるため、大口取引を行う上級者トレーダーの方は、韓国で資金源を証明する書類の提出が求められる場合があります。
HFM
HFM(エイチエフマーケッツ)は、総合的な取引条件のバランスに優れている海外FX業者です。
最大2,000倍レバレッジや主要な取り扱い銘柄のスワップフリー、豊富なボーナスキャンペーンの実施など、初心者にも使いやすいトレード環境をHFMは提供しています。
口座タイプ | セント口座 | プレミアム口座 | トップアップボーナス口座 |
---|---|---|---|
発注方式 | NDD STP方式 | NDD STP方式 | NDD STP方式 |
レバレッジ | 2,000倍 | 2,000倍 | 1,000倍 |
取り扱い銘柄 | 通貨ペア 貴金属CFD | 通貨ペア 貴金属CFD エネルギーCFD 株式CFD 株価指数CFD 債券CFD ソフトコモディティCFD ETFCFD 仮想通貨CFD | 通貨ペア 貴金属CFD エネルギーCFD 株式CFD 株価指数CFD 債券CFD ソフトコモディティCFD ETFCFD 仮想通貨CFD |
取引手数料 | 無料 | 無料 | 無料 |
最低入金額 | – | – | – |
その他 | スワップフリー | スワップフリー | – |
法人口座 | 可能 | 可能 | 可能 |
▶︎ 口座開設する | ▶︎ 口座開設する | ▶︎ 口座開設する |
最大レバレッジが高く、スワップフリーの提供もあるHFMは特に営業日をまたいで取引を行うスイングトレードとの相性が良いです。
一方で、ストップレベルが広く、スキャルピングに不向きな点や仮想通貨CFDが土日に取引できないといった要素がデメリットです。
\当サイト限定3,000円口座開設ボーナスあり!/
韓国でのFX取引に関するよくある質問
- 韓国でFXを始めるにはどのような手続きが必要ですか?
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韓国でFXを始めるには、まずFX業者の口座を開設する必要があります。国内業者の場合、身分証明書や住所証明書が必要です。また、海外業者を利用する場合、業者ごとの口座開設条件を確認してください。
- 韓国の累進課税ではいくらまで税金がかかりませんか?
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韓国では、年間所得が1,400万ウォン以下の場合、6%の税率が適用されますが、控除額などを考慮するとほとんど税金がかからないケースもあります。
- 韓国でFXを行う際にウォンではなくドルを使用するメリットは?
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ドルを使用することで、為替変動リスクを減らし、利益を安定させることができます。特に韓国ウォンの価値が下落傾向にある場合、ドル建て取引はリスク管理の一環として有効です。
- FXにおける韓国国内業者と海外業者の違いは?
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韓国国内業者は最大レバレッジが20倍に制限されていますが、規制が厳しいため安全性が高いと言われています。一方、海外業者は高いレバレッジを提供しますが、業者選びを慎重に行う必要があります。
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