ブラジル在住者がFXを始める方法や税金ルール、おすすめ会社を解説

ブラジルはFX取引に関する税金が日本よりも安く、生活コストも低いため、節税目的で居住するメリットは十分にあります。

また、アメリカとの時差が2時間程度しかないので、取引が活発になるニューヨーク市場をメインにトレードできるといったメリットもあります。

しかし、国内政治・社会が不安定な面や地域によってはインターネット環境などのインフラ設備が整っていない部分もあるため、注意が必要です。

この記事では、ブラジルでFX取引を始めるメリットやデメリット・税金面について詳しく解説していきます。

ブラジルでFXを始める方法

ブラジルでFXを始める具体的な方法を紹介します。

FX業者によって細かい仕様は異なりますが、大まかな流れは共通しています。

ブラジルでFX取引を行った際に発生する税金

ブラジルでFX取引を行った際に発生する税金について紹介します。

日本と同様にFX取引で得た利益については、所得税・キャピタルゲイン税の課税対象となるので、しっかりと確認しておきましょう。

個人所得税（IRPF）

ブラジルでFX取引を行って得た利益には、個人所得税（IRPF）がかかります。

課税所得額	税率	控除額
2,112.00レアル以下 （約55,000円）	0％	0レアル
2,112.01～2,826.65レアル （約55,000円～73,000円）	7.5％	158.40レアル （約4,100円）
2,826.66～3,751.05レアル （約73,000円～97,000円）	15％	370.40レアル （約9.600円）
3,751.06～4,664.68レアル （約97,000円～121,000円）	22.5％	651.73レアル （約17,000円）
4,664.68レアル以上 （約121,000円～）	27.5％	884.96レアル （約23,000円）

※出典元：JETRO「ブラジル その他の税制 主な連邦税」より

2,112.00レアル（約55,000円）以下であれば非課税ですが、4,664.68レアル（約121,000円）以上になると、最大税率の27.5％が課されます。

ブラジルの場合、所得の申告は年単位ではなく、月単位で報告する仕組みとなっているので注意が必要です。

キャピタルゲイン税 (Capital Gains Tax)

ブラジル居住者は2024年1月以降、国外で得た金融所得や配当金・株式売買益等について申告が必要になりました。

年間所得が6,000レアル（約156,000円）以下は非課税ですが、50,000レアル（約1,300,000円）を超えると22.5％の最大税率が課されます。

課税所得額	税率
6,000レアル以下 （約156,000円）	非課税
6,000～50,000レアル （約156,000円～1,300,000円）	15％
50,000レアル以上 （約1,300,000円～）	22.5％

キャピタルゲイン税は個人所得税とは異なり、年間の収入額に対して課税されるので、注意しておきましょう。

日本との違い

FX取引で得た利益に対してかかる税金をブラジルと日本で比較したのが下記の表です。

課税所得額	ブラジル	日本
25,344レアル以下 （約66万円）	0％	5％
25,344.01 ～33,919.3レアル （約66万円～88万円）	7.5％	5％
33,919.4 ～45,012.6レアル （約88万円～117万円）	15％	5％
45,012.61 ～55,976.16レアル （約117万円～145万円）	22.5％	5％
55,976.17レアル以上 （約145万円～）	27.5％	5％
267,308レアル～ （約695万円～）	27.5％	30％

ブラジルは月額の平均給与が約90,000円と日本と比べると3分の1ほどしかないので、最大税率が課せられる金額も低くなっています。

そのため、年間所得が267,308レアル（約695万円）までは日本の方が税金が安く済むので、注意しておきましょう。

ブラジルでFX取引を行うメリット

ブラジルでFX取引を行うメリットを3つ紹介します。

所得額によっては日本よりも課税率が低く、生活コストも安いので、ブラジルでFX取引を行うメリットは十分にあります。

日本よりも節税できる

ブラジルでFX取引を行うメリットの1つに日本よりも節税できる点があります。

ブラジルは毎月所得を申告する仕組みとなっていますが、所得税が最大でも27.5％と日本に比べると約20％低くなっています。

国名	所得税率
ブラジル	0～27.5%
日本	5～45％

また、月間の所得が2,112.00レアル（約55,000円）以下であれば非課税になるので、兼業トレーダーでも節税可能です。

ただし、月間の所得額が4,664.68レアル（約121,000円）以上になると最大税率が課せられるので、日本よりも節税するには、22,276レアル（約580,000円）以上の所得がある場合に限られるので注意しておきましょう。

上記はあくまで計算上の値であるため、その他の税制や控除が含まれていないので、詳しい値は現地の税務署・税理士に相談することをおすすめします。

日本とは二国間租税条約が結ばれている

ブラジルは日本と二国間租税条約を結んでいるため、二重課税が行われる心配がありません。

ブラジルでの滞在期間が12か月の内、183日を超えると税法上は居住者として所得の申告義務が生じます。

そのため、タイミングによっては日本とブラジルの両国で納税義務が発生する可能性がありますが、二国間租税条約が結ばれているので外国税額控除を受けれます。

二国間租税条約に関する詳しい内容は「日本貿易振興機構（ジェトロ）」または「国税局ホームページ」に記載されているので、確認しておきましょう。

二国間租税条約とは、同一の所得に対して2つの国で二重課税されることを回避することを目的とした条約で、国際的な取引・投資を行っている個人・企業にとって重要な仕組みです。

ニューヨーク市場に参加しやすい

ブラジルはアメリカとの時差が2時間程度しかないので、取引が活発になるニューヨーク市場をメインにトレードしやすい環境です。

ニューヨーク市場は日本時間の23時から翌6時までの深夜帯ですが、ブラジルでは11時から18時ごろになります。

睡眠時間を削ることなく市場に参加できるので、日本よりもトレードを続けやすい環境です。

ニューヨーク市場の特徴や取引ポイントに関する詳しい解説は「FXのニューヨーク時間の特徴と時間帯別の取引ポイントを解説」で紹介しているので、参考にしてください。

生活コストが低い

ブラジルは日本よりも生活コストが低く、運用資金を準備しやすいというメリットがあります。

生活費	ブラジル	日本
家賃	1,920レアル （約49,000円）	55,000円
光熱費	400レアル （約10,400円）	12,000円
食費	375レアル （約9,700円）	36,000円

ブラジルの生活費は日本に比べると70％ほどになるので、FX取引に運用できる資金が日本居住時よりも多くなります。

所得額が多くなるほど日本よりも節税効果が高くなるので、余剰資金を作りやすいブラジルでFX取引を行うメリットは十分にあるといえます。

ブラジルでFX取引を行うデメリット

ブラジルでFX取引を行うデメリットを3つ紹介します。

生活コストは低いですが、地域によってはインフラ設備が整っていないこともあるので、注意しておきましょう。

それぞれ順番に解説していきます。

レアル建てに対応したFX業者が少ない

ブラジルでFX取引を行うデメリットの1つに、レアル（BRL）建てに対応したFX業者が少ない点があります。

現地通貨のブラジルレアル（BRL）は新興国通貨ということもあり、アカウント通貨として取り扱っているFX業者がほとんどありません。

業者名	レアル建て口座
XMGlobal	非対応
Exness	対応
HFM	非対応
FXGT	非対応

人気海外FX業者の中でレアル建て口座を提供しているのはExnessのみとなっており、選択肢が少ないのが現状です。

今後、ブラジルの景気や経済状況によっては、レアル（BRL）に対応する業者が増えてくる可能性があるので定期的チェックするようにしましょう。

インターネット環境が不安定な地域がある

ブラジルはインターネット普及率が90％を超えており、通信方式も光ファイバーを利用したFTTxが主流となっています。

しかし、高速通信が可能なのは都市部のみで、地方や農村部では接続速度が遅い・接続が不安定など整備が進んでいない地域もあります。

また、ブラジルでは無料の公共Wi-Fiが多く提供されていますが、セキュリティ面での安全性が低いのでトレード時に利用するのは控えておきましょう。

国内経済が不安定

ブラジルでFX取引を行うデメリットとして、国内の経済が不安定な点があります。

レアル安などを背景にインフレ率が上昇し消費が冷え込んでいることや政治スキャンダルが相次いだことによって、経済成長率が低下傾向にあります。

2023年の基礎的財政収支がGDP（対国内総生産）比2.1％の赤字となり、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた2020年に次ぐ過去2番目の赤字額を記録していることもあり、今後の動向には注意しておきましょう。

ブラジル居住者におすすめのFX業者

ブラジル居住者におすすめのFX業者を3つ紹介します。

項目	XMGlobal	Exness	HFM
口座開設ボーナス	あり	なし	あり
入金ボーナス	あり	なし	あり
最大レバレッジ	1,000倍	2,000倍 （条件達成後：無制限）	2,000倍
ゼロカット	あり	あり	あり
最低入金額	5ドル	150ドル	なし
ロスカット水準	20％	0％	20％
取扱銘柄	外国為替 暗号資産CFD 貴金属CFD エネルギーCFD 株価指数CFD 株式CFD コモディティ 特定テーマ指数	外国為替 貴金属CFD 暗号通貨CFD エネルギーCFD 株式CFD 株価指数CFD	外国為替 貴金属CFD 暗号通貨CFD エネルギーCFD 株式CFD 株価指数CFD ソフトコモディティ 債券 ETF
プラットフォーム	MT4（MetaTrader4） MT5（MetaTrader5）	MT4（MetaTrader4） MT5（MetaTrader5）	MT4（MetaTrader4） MT5（MetaTrader5）
基軸通貨	12種類 （BRLは利用不可）	44種類	5種類 （BRLは利用不可）
リンク	口座を開設する	口座を開設する	口座を開設する

ブラジルレアルは新興国通貨であり、基軸通貨として運用できる口座を取り扱っているのは、Exnessのみです。

また、ブラジル国内の金融ライセンス「BACEN」を取得しているFX業者はほとんどないので、信頼性の高いライセンスを保有している業者を厳選して紹介していきます。

XMglobal

ブラジル在住者におすすめのFX業者は「XMGlobal（エックスエムグローバル）」です。

世界各国にサービスを展開しているXMグループの1つで、日本では「XMTrading」を運営しており、多くのトレーダーから人気を集めています。

XMGlobalは、口座開設ボーナスを提供している数少ないブローカーで、入金なしのリスクゼロでトレードを開始できます。

ボーナスキャンペーン	ボーナス内容
口座開設ボーナス	13,000円相当
入金ボーナス	50％入金ボーナス（上限額：500ドル） 20％入金ボーナス（上限額：4500ドル）

口座開設ボーナスを使い切った後でも、50％・20％入金ボーナスを利用することで、低資金でも大きな利益を狙うことができる環境です。

ただし、レアル（BRL)建て口座には対応していないため、米ドル（USD）での口座開設がおすすめです。

日本円（JPY）口座も開設可能ですが、出金時の手数料が米ドルよりも高い傾向にあり、基本的に国内では両替できないため特に理由がない場合は米ドル（USD）を選択しましょう。

XMGlobalの口コミや評判は「XM Globalの特徴と評判！」で、紹介しているので、参考にしてください。

Exness

Exness（エクスネス）は、基軸通貨でレアル（BRL)を選択できる数少ないFX業者です。

最大レバレッジ無制限やロスカット水準0％など、FX業界でも最高クラスの取引環境を提供しており、世界各国のトレーダーが利用しています。

また、スプレッドの狭さ・取引コストの低さに定評があり、スキャルピングや短期トレードに最適です。

「FCA（英国金融行動監視機構）」や「CySEC（キプロス証券取引委員会）」など、権威性の高い金融ライセンスをグループ企業全体で9つ取得しており、信頼性・安全性の高さが保証されています。

口座開設ボーナスや入金ボーナスを提供していないものの、現地通貨を獲得できる貴重なFX業者なので、とりあえず開設しておくのがおすすめです。

Exnessに関する詳しい解説は「Exnessの評判・口コミ」で紹介しているので、参考にしてください。

HFM

HFM（HF Markets）は、世界各国にサービスを展開している老舗ブローカーで、2010年の創業以来250万以上の口座開設実績と60以上のリワードを受賞しています。

通常は入金ボーナスのみの提供ですが、海外FXタイムズとのタイアップ企画により、当サイト経由限定で新規口座開設した先着400名様限定で「3,000円相当」のボーナスクレジットを受け取れるキャンペーンを開催中です。

ボーナスキャンペーン	ボーナス内容
口座開設ボーナス	3,000円相当 （当サイト経由限定：先着400名）
入金ボーナス	20％入金ボーナス（上限額：750,000円相当）

リスクゼロの口座開設ボーナスを提供している数少ないFX業者なので、また受け取っていない人はぜひ利用してみてください。

ただし、レアル（BRL)建て口座には対応していないため、両替しやすい米ドル（USD）または仮想通貨建てでの口座開設がおすすめです。

HFMでの口座開設手順は「HFMarketsの口座開設ガイド」で詳しく解説しているので、参考にしてください。

ブラジルでのFX取引に関するよくある質問

ブラジルでのFX取引に関するよくある質問を紹介します。

ブラジルでFX取引を行った際にかかる税金を教えてください。

ブラジルでは、月間所得が2,112.00レアル（約55,000円）以下は控除されます。2,112.00レアル以上の所得に関しては、累進課税が適用され、4,664.68レアル（約121,000円）以上になると最大税率の27.5％が適用されます。

ブラジルでのFX取引にはキャピタルゲイン税がかかりますか？

はい、ブラジルでのFX取引にはキャピタルゲイン税がかかる可能性があります。

年間所得が6,000レアル（約156,000円）以下は非課税ですが、50,000レアル（約1,300,000円）を超えると22.5％の最大税率が課されます。

ブラジルでFX取引を行うメリットを教えてください。

ブラジルは生活コストが安く、所得税の最大税率が日本よりも低いため、所得額によっては約20％の節税効果があります。

ブラジルでFX取引を行うデメリットはありますか？

ブラジルはインターネット普及率が90％以上あるものの、地方や農村部では通信ができない・接続が不安定な地域が存在します。場合によっては決済ができない可能性もあるので、注意が必要です。

ブラジルから日本のFX業者を利用することはできますか？

いいえ、ブラジル居住者が日本国内のFX業者を利用することはできません。